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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 68

ところが、彼にはそれができない事情があった。コンディションチェックが終わった辺りから、尿意を催していたのである。今にも漏れそう、というレベルではないが、できれば出しておきたいところだった。
――仕方がない。外に出てトイレを探すか。
貝丞は、この屋敷の内部をまだよく知らない。出歩くことへの不安はある。だが、このまま座して失禁するよりはマシだと思った。
とは言っても、裸のまま外に出るのは気が引ける。貝丞はベッドから布団を取りのけると、おもむろにシーツを引きはがし始めた。
――よいしょ。よいしょ。
大きなベッドなので、シーツもそれなりの面積がある。貝丞はそのシーツを、古代ローマの男性の衣装のように体に巻いた。なかなかいい着心地だ。
――んじゃ、行きますか……
貝丞は扉まで歩み寄ると、ノブを回そうとした。ところが、彼が手を触れるより早く、ノブが回って扉が開き始める。
ギギギギ……
――うお! この世界の自動ドアか?
貝丞は驚いて後ずさった。が、昼間は普通の扉だったことを思い出す。開いた扉の向こうを見てみると、そこには果たして、メイド服を着た女性が立っていた。
――やっぱりね。
「メ@Ι……」
何事かをつぶやいて一礼するメイドを前に、貝丞はバツが悪そうに頭をかいた。部屋の外からは、バタバタという足音が遠ざかっていくのが聞こえる。多分、メイドがもう一人いて、貝丞が起きたことを誰かに知らせに行ったのだろう。
「ええと、トイレの場所を……って、言葉は通じないか。どうしよう……」
ボディランゲージという手もあるが、誤って意図が伝わると大変なことになりそうだ。貝丞はあえてアクションを起こさず、ラグーナかミュラ、あるいはイルジーマが来るのを期待することにした。
バタバタバタバタ……
そのうち、何人か分の足音が貝丞の耳に聞こえてきた。誰かがこちらに向かって走ってきている。しばらく待っていると、足音の主の一人が部屋に飛び込んできた。
『ご主人様あっ!』
叫びながら入って来たのは、ラグーナだった。ほとんど全裸に近い恰好で、巨大な乳肉を振り乱しながら貝丞に飛び付く。20センチほど身長差のある相手にタックルされた貝丞は、一溜りもなく床に押し倒された。
「ぐふうっ!」
『ああん。ご主人様あっ!』
その外見からは想像もできないほど、ラグーナは俊敏に動いた。あっという間に貝丞に馬乗りになり、彼の顔を両手で挟むと、おもむろに口を吸い始める。舌をねじ入れ、ジュルジュルと音を立てながら、貝丞の唾液をすすった。
『んんっ。んんんん……』
「むぐぐ……」
たっぷり1分以上ディープキスを堪能したラグーナは、やっと口を離した。と言ってもまだ、お互いの息がかかるほど顔の距離は近い。

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