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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 64

――まあ、後で分かるか……
貝丞は大人しく待つことにした。このままの格好、つまり全裸で外に出るのかと思うと恥ずかしいが、イルジーマも乳房を出したままなので、あえて口には出さなかった。
ガチャ……
「&〒±……」
ドアが開き、先ほどのメイドが顔を出して何かを言った。車が到着したらしい。
『お車が参りました。ご主人様、参りましょう』
「ええ……」
イルジーマに誘われ、部屋の外に出た貝丞は、がっくりと肩を落とした。
「こう来たか……」
そこにあったのは、外見的には車椅子に似たものだった。ただし、両サイドからは前方に棒が一本ずつ伸び、その先端は横棒で連結されている。
そして、その横棒は、四つん這いになった全裸の女性の腰に、革のベルトで連結されていた。
「…………」
繋がれた女性は、貝丞の方を向いて頭を下げた。猿轡をしているために、言葉を発することはできないのである。
「ど、どうも……」
女性に頭を下げ返した貝丞は、イルジーマに質問をした。
「あの、これ、もしかして俺が乗るのかな?」
『当たり前です』
「や、やっぱり……あのさ……」
『ラグーナ様やミュラ様なら、ご主人様を直接背中に乗せてお運びできますが、私共にはそこまでの体力がありません。この車でお許しください』
「いや、俺、できれば自分で歩き……」
『なりません。“ご主人様は自力で廊下を移動してはならない”と、奴隷会議で決まっておりますので』
――人が気絶してる間に、何勝手に決めてくれてんだよ!
貝丞は憤ったが、どうにもならなかった。いつの間にかメイド達は貝丞と車を取り囲み、車に乗らない限り貝丞がどこにも行けないように妨害している。
『早くお乗りください。お風呂が冷めてしまいます』
貝丞の内心などまるで知らない様子で、イルジーマがせっつく。ここに来て、さすがに貝丞も言い返す気になった。
「急ぐんだったら、歩いた方がいいんじゃない?」
『ハッ。ご主人様ったら、またそんな屁理屈を』
「…………」
イルジーマの一刀で斬り捨てられた貝丞は、抵抗する気力を失い、よろめきながら車の座席に着いた。もういい。こうなったら早く風呂に入って、一眠りしよう。コンディションさえ万全なら、こうまで彼女達に振り回されることはない……気がする。
「出してください……」
貝丞は、車に繋がれた女性に言葉をかけたが、彼女は何の反応も示さなかった。
――ああそうか。言葉が通じないんだった……
言葉のことを思い出した貝丞は、イルジーマに通訳を頼もうとした。だが、それよりも早くイルジーマが貝丞に何かを差し出す。貝丞は半ば無意識に手を伸ばし、それを受け取った。
「またこれか……」
受け取ったものを見てみると、それは一本の鞭だった。イルジーマの方を見ると、彼女は早く叩けとばかりに顎をしゃくる。どうやらまたしても、言葉では動いてくれないらしい。

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