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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 51

「え? あ、ああ……」
体の左側を貝丞に向け、ラグーナが手招きする。貝丞はまたそれかよと思ったが、折角ここまで来た流れをぶった切る勇気はなかった。やむなく裸のままベッドを降り、ラグーナの背中に腰掛ける。すると途端にミュラが、不満の色をあらわにした。
『ちょっと、それ、ボクの役目じゃ……』
『黙りなさいミュラ。ご主人様が、今とても大事なときなのが分からないの?』
『それとこれと、何の関係が……』
『いいから、早く扉を開けなさい』
『…………』
偉そうにたしなめるラグーナに対し、ミュラは明らかに納得していない様子だった。だがここで事を荒立て、貝丞の邪魔をするわけには行かないと思ったようだ。結局彼女は黙り込み、姉の言葉に従う。
『帰りはボクが、ご主人様を乗せるからね』
扉を開け放ち、四つんばいで外に出たミュラは、振り返ってラグーナに釘を刺した。ラグーナはそんなミュラの後に続いて部屋を出る……かに見えたが、なかなか動き出さない。貝丞は不審に思って声をかけた。
「……行かないの?」
『ご主人様に、行けと言われていませんから』
「じゃ、じゃあ行って……じゃなかった。行け」
『うふふふ……ご主人様。あたしは口で言われても理解できない愚かな雌牛です。進むときはお尻を手で叩いて、方向を変えるときは行きたい方のおっぱいを足で蹴ってください。止めたいときは、髪の毛を引っ張ってくだされば止まりますから』
「はい……」
言いたいことはいろいろあるが、ここで気力を浪費するわけには行かない。貝丞はラグーナの要求を全面的に受け入れ、彼女のヒップを叩いた。
ピシャッ!
『ああんっ!』
甘い悲鳴を上げ、ラグーナは前進を始めた。だが、その進む先に部屋の出口はなく、壁へと近づいてしまう。最初にそちらの方を向いていたからだ。
――しまった! 間違えた!
慌てた貝丞は、大きく左に回って出口を目指そうとした。左足でラグーナの左乳房を軽く蹴り、方向転換を促す。
ムニュ、ムニュ……
『ああん! ご主人様があたしのいやらしいおっぱいを足蹴に……』
蹴った貝丞の方が恥ずかしくなるような、ラグーナの反応だった。とは言え彼女は約束通り、左へと進行方向を変える。貝丞はさらに蹴り続け、部屋の中を一周した。
――今だ!
出口が近づいたとき、貝丞は右足でラグーナの乳房を蹴る。これでラグーナが進路を変えれば、うまく外に出られるはずだ。
『ああっ! 右のおっぱいまで……』
ところが、ラグーナは進路こそ右に変えたものの、その方向は貝丞が期待したのと微妙にずれていた。つまり、出口を外れてまた壁にぶつかりそうになったのである。やり直しだ。
――のわああっ! こりゃ難しいぞ!
出口は見えてるんだから、少しぐらい補正してくれてもいいのに。そんなことを思いながらも、貝丞は必死に両足を動かし、部屋の外へ出ようと試みた。

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