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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 43

「いや、その……」
ラグーナの治療を受けながら、貝丞は言葉を濁した。動かしすぎて、治り切っていなかった右肩の負傷が再発したのである。彼を乗せているミュラは下を向き、ラグーナ同様バツの悪そうな顔をしていた。
『終わりました』
「ありがとう。これは左で持たせてもらうよ」
『はい……』
ラグーナは貝丞の左側に移動した。最初からこうしてもらえばよかったのだが、結局言い出せずにこの有様である。
――俺ってもっと自己主張した方がいいのかな……?
ラグーナとミュラのお尻に鞭を入れながら、貝丞はそんな事を思った。
バシッ!
『んんっ!』
バシッ!
『あんっ!』
その後も三人は、同じ調子でのろのろと廊下を進んでいく。このペースで移動して、一体いつになったら目的の場所にたどり着くのだろう。不安にかられた貝丞は、左側を這うラグーナに尋ねてみた。
「あの……契約する部屋ってまだ遠いのかな?」
『えっ……?』
聞かれたラグーナは我に返ったように周りを見回し、決まりが悪そうに言う。
『ごめんなさい。通り過ぎちゃいました……』
さすがに貝丞は、ミュラの背中から飛び降りた。

『こちらです。ご主人様』
「さようでございますか……」
引き返すこと十数メートル。貝丞達は豪勢な木製の扉の前に立っていた。貝丞に降りられ、慌てて四つん這いを止めたラグーナとミュラが、ようやくのことで案内したのである。二人は扉を開け、ラグーナだけが先に中へと入っていく。
『少し待っていてくださいね。今灯りを点けますから……』
ラグーナは部屋の中で、しばらく何かごそごそとやっていた。すると例のランプのようなものが点灯し、部屋の様子が見えるようになる。
「ひっ……」
貝丞は思わず悲鳴を上げていた。部屋は学校の教室くらいの大きさで、中央に大きなベッドが置いてある。それはいいのだが、ベッドの隅には枷のようなものがいくつも取り付けられていた。おそらく寝た者の四肢を固定するのだろう。さらに天井からは何本も鎖が下がっており、また部屋の至るところには手枷や足枷が転がっている。おまけに壁には鞭や、服とも言い難い露出の多すぎる衣裳がいくつもかけられていた。どう考えても尋常の光景ではない。
「ちょっと待ってくれ……」
『何してるのご主人様? 早く入りなよ』
貝丞が中に入るのを躊躇っていると、いつの間にか猿轡と鞍を外したミュラがあからさまに催促してきた。それでも動かない貝丞の後頭部に、不意に柔らかいものが押しつけられ、前へと追いやられる。
「うわっ!」
『…………』
柔らかいものの正体は、もちろんミュラの乳房である。にも関わらず貝丞は、ナイフを突き付けられているかのようなプレッシャーを感じた。たまらず足を踏み出し、部屋の中へと入り込んでしまう。
「あ、あの……」

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