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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 37

『ああご主人様……あたしったらなんてことを……』
『ご、ごめんなさいご主人様。脅かすつもりは……』
二人はにわかに真っ青になり、ガタガタと震えだした。今のを理由に奴隷契約を解除される危険に思い当たったのだろう。言うまでもなく彼女達にとって、貝丞に嫌われることは死に勝る恐怖である。
「え、ええと……その……」
一方こちらは貝丞である。彼はラグーナとミュラの急激な態度の変化に戸惑ったものの、二人の頭が冷えたなら場を収める絶好の機会だと考えた。再度勇気を振り絞り、口を開いて自称奴隷達に話しかける。
「二人とも聞いてくれ。別に俺は怒ってない。だから落ち着いてよ」
『本当……ですか?』
半ば涙目になりながら、ラグーナが念を押してきた。貝丞は大きく頷き、「大丈夫だよ」と太鼓判を捺す。続けて彼は、事態を締めくくる言葉を吐こうとした。
「とりあえず今日はもう遅いから、詳しい話や契約だとかはまたあし……」
『よかったわねミュラ。ここは一つ、二人でご奉仕するという事で手を打ちましょう』
「えっ? あの……」
『ぶー……何だか一杯食わされたような気がするけど……まあいいか』
「ちょっと、二人とも……?」
『分かったら早くそこどきなさい。あたしがご主人様にご奉仕できないでしょ』
『うわっ……ラグーナ横暴!』
ラグーナが厚かましい態度で、ミュラを貝丞の上から押しのけた。またしても本人を蚊帳の外に置いたまま、貝丞の処遇が決定されたのである。
「あああ……」
貝丞は、状況の変化に付いて行けなくなり始めていた。先程まで世界の終わりが来たような顔をしていたラグーナとミュラが、今やほとんど凶暴な顔つきになって自分に何かしようとしている。麻雀だって、これほど頻繁に流れが変わることはないだろう。
しかしながら、貝丞はそれでも、自力で運命を切り開く意思を捨てなかった。屈することを知らない飽くなき闘魂である。彼は敗北覚悟で口を開き、二人に対し発言を求めた。
「二人とも、ちょっといいかな?」
『後にしてください』
『今それどころじゃないよ』
敗北した。ラグーナとミュラは貝丞の両足をそれぞれつかみ、立ち上がって引っ張り始める。
『ご主人様、こっち来てください』
「何を……?」
たちまち貝丞は、ベッドの中央へと引きずり戻された。ラグーナとミュラは貝丞の足を放し、ベッドの上に仁王立ちになって彼を見下ろす。
『それじゃ早速、始めましょう。と言っても、儀式の前の前菜みたいなものですけど』
『そうだね。でももうボク達、ご奉仕するの我慢できないから……』
「お、俺は……」

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