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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 35

『あっ、ミュラずるい!』
体力の違いからかミュラの方が先に出た。彼女はラグーナの抗議を無視しつつ、貝丞の両足をまたいで馬乗りになる。さらに両手で彼の頬を押さえた。
『ご主人様……んっ!』
ムチュ!
――え……?
貝丞が気付いた時には、すでに瞳を閉じたミュラの顔が目の前にあった。唇を奪われたと認識するのに少し時間がかかる。その時にはもうすでに舌が突入して来ていた。
ジュル……ヌチョ……
貝丞はパニックに陥った。何しろ彼にとっては初めてのキスである。
「んんんっ!」
無意識にミュラの肩を押して突き放そうとするがビクともしない。彼女はいち早く貝丞の頭を両腕で捕まえ、彼がどうやっても逃げられないようにしていた。
レロ……クチュ……
『あむ……ん……』
「んん……」
貝丞の舌は口の中を逃げ回った。しかしすぐにミュラの舌に捕まり、ねちっこく絡み付かれてしまう。たった今奴隷にしたはずの女に唾液交換を強制されながら、貝丞は自分の意識が次第に遠くなって行くのを感じた。
――まずい。何だか分からないが頚動脈を絞められた時みたいだ!
彼はミュラの体を何度か手のひらで叩き、降参の意思表示をした。だが気が付かないのかそもそもそういう動作をする習慣がないのか、彼女はなかなかこのディープキスを中断してくれない。ついに貝丞は観念した。
――最近の俺は、やけに気絶に縁があるな……
ジュルッ……クチャ
『ぷはあっ……』
――ん……?
危ういところで貝丞の意識は救われた。ミュラがようやく舌を引っ込め、口を離したのだ。それでも失神寸前まで追い込まれた貝丞の意識は混濁し、虚ろな目でミュラの顔を見つめるのが精一杯だった。
「ああ……」
全身から力が抜けていた。口はだらしなく半開きになり、自分の唾液とミュラの唾液が混じり合って流出している。気絶するのを免れたとは言え、しばらくはこのままだろう。
『はあ……はあ……』
快感に痺れていたのはミュラも同様だった。彼女は上の口のみならず下の口からも涎を垂れ流し、荒い息をつきながら褐色の肌を上気させている。二人はしばしの間、至近距離から互いに見つめ合った。
『…………』
そんな貝丞とミュラの様子を、ラグーナは忌々しげに眺めていた。小柄な貝丞の体はミュラによってほとんど覆い隠され、新たに手を出す余地は全くない。だが次の瞬間には何か思い付いたらしく、彼女は無気味に微笑んだ。
そんな姉の様子にも気付かず、ミュラは次の行動に移ろうとしていた。彼女は貝丞の頭に回した手を外し、自分の服の胸辺りを無造作に掴む。さらに
『ご主人様、見て……』
と言いつつ引き裂こうとした。今度は乳房を露出させる気らしい。が、そんな彼女の動作に水を差す者があった。もちろんラグーナだ。

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