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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 27




「ああ…よく寝た」
失神してからどれくらい時間が経ったのか。貝丞が目を覚ましたのはベッドの上だった。少し頭がずきずきする。脇腹と右肩もちょっと痛い。
――俺はどうなってる…?
貝丞は左手で自分の体を探ってみた。誰かが治療してくれたのか、右腕は布で首から吊られている。頭には包帯が巻かれていた。着ているのは元のTシャツと短パンではなく、何だか寝間着のようなものである。
――ここはどこだろう?
ゆっくり体を起こして周りを見回す。かなり暗い。どうやらここはどこかの部屋で、今は夜のようだ。
かすかに月明かりらしいものが窓から差し込んでいる。おかげで目が慣れてくるとおぼろげながら周囲の様子が分かって来た。部屋の広さは4メートル四方ぐらいで、今中にいるのは貝丞一人だけ。ベッド以外の物はほとんどなく、病院の個室のような雰囲気である。
――誰かいないか呼んでみるか。いや、その前にちょっと状況を整理しておこう…
貝丞は再びベッドに体を横たえながら、自分の身に起こったことを思い出した。
――そうだ。俺は確か「第三回チキチキ町内耐久麻雀大会」に参加していた…
それは町内の命知らずが十数名集結し、金曜の夜から月曜の朝まで不眠不休、食事も抜きで麻雀を打ち続けるというイカれた催しであった。(ちなみに第一回はトイレタイムも認めないルールだったのだが、さすがに現在では改正されている)
極度の疲労と空腹と緊張から出場者が次々と倒れ病院に搬送される中、貝丞は僅差で優勝を制した。そして学校へ行くまでの時間を利用し、眠気覚ましのトレーニングをしている時に妙な現象に巻き込まれてこの地域へと飛ばされてしまったのである。
思い出そうと頭を使うと、ズキリとした痛みが走る。
頭もそうだが腕も気になって、首からかけてある三角巾を外しゆっくりと腕を動かしてみると、痛みはあるものの動きに支障はない。
…もしかして俺って…一月程寝てたか?…
身体のあちこちに痛みがあるが、耐えられない程ではなく、むしろあの激闘から考えると軽すぎる……貝丞が一月寝ていたと感じてもおかしくない程の回復具合だった。

不思議に思う貝丞…その貝丞が目覚めるのを待っていたかのように、扉がゆっくりと開いた。
入ってきたのは女性…かなり長身の女性だった。
ミュラとよく似た女性で、多少年上に見えるから、ミュラが言っていた姉…ラグーナだろうか?
ミュラより女性的で美しく、あの超絶爆乳のミュラより更に巨大な乳肉……彼女の着ているワンピースからでも、その圧倒的なまでの存在感には貝丞も言葉も無かった。
「あら、お目覚めのようね……身体の調子はどうかしら」

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