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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 20

貝丞はさっそくミュラの腕を押し上げたり拳で打ったりして外そうとしたが、やはり全く外れる気配はなかった。
解かれていたミュラの両足も再び固く貝丞の腰を挟み、逃がさないようにしている。
『フフフ…さあどうするんだい?』
ミュラの声が聞こえた。貝丞からは見えないがきっと笑みを浮かべているのだろう。
そうしている間にも貝丞の意識は少しずつ遠くなっていく。
――駄目か。これで負けたら末代までの恥だな。仕方ない。あれでもやるか!
貝丞は両膝を浮かせ左右の足の裏で床を踏みしめた。
――さあ、うまく行きますかどうか!
背筋を使って上体を起こした。もちろん貝丞の頭を抱き締めたミュラの体も一緒に着いて来る。
『何を?』
――やっぱり背中がきつい。明日筋肉痛だなこりゃ!
続いてミュラの両足を抱え、その体を持ち上げながら立ち上がった。腰の辺りでしたグキッという嫌な音は聞かなかったことにする。
『な!?』
ミュラの口から驚愕の叫びらしきものが漏れた。観客もざわめく。
――行くぞ!
完全に直立した貝丞はちょっとだけ飛び上がる。次の瞬間前に勢いよく倒れこみ、ミュラの背中を思い切り床に叩き付けた。
ドオォン!!
『ぐあっ!』
悲鳴と鈍い激突音がしてミュラの腕の力が一瞬緩む。貝丞の意識はやや遠くなっていた。しかしどうにか両手でミュラの腕を押し上げ、乳房の間から頭を引き抜くことに成功する。
「ぷはあっ!」
口と鼻をふさぐ物がなくなり、新鮮な空気が肺に入ってきた。
「息ができるって素晴らしい!!」
何故か言わなければいけない気がした。呼吸を何度かして体力を回復させる。
――さあ、反撃開始だ!
ミュラの両足はまだ貝丞の腰を挟み付けたままである。
――この体勢を変えるのは難しそうだな!
貝丞はそのままの姿勢で攻撃することにした。膝立ちになり上体を前に倒してミュラの顔に拳を振り下ろす。
「行くぞ!」
一発、二発、三発・・・
体格差があるのでなかなか顔まで拳が届かない。またミュラが両腕でこれをガードするためほとんどヒットしなかった。彼女が呆れた様な声を出す。
『何やってるんだい?全然当ってないよ』
「…………」
だがそんなことに構わず貝丞は拳を振り下ろし続ける。
何発も何発も。そして…
――そろそろいいな。
ミュラの意識が自分の顔を守ることに集中している。それを見て取った貝丞は突然殴るのを中止して右の脇にミュラの左の足首を抱えた。
「それっ!!」
『ん?』
体を急激に後ろに倒しながら両足でミュラの左足を挟み付ける。やはり右の脛を相手の腰の上に出して起き上がれないようにした。それを見た観客がどっと沸く。オグロロのセコンドにかけたのと同じ技だ。
「…と見せかけて!」
貝丞は抱え込んだ足首を放した。間髪を入れず右肘の内側で相手の左踵を外側から引っ掛ける。さらに両手を組んだ。
『これは!?』

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