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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 19

『…素晴らしい実力だ…ボクと姉さんが全てを捧げるに相応しいね…』
何故、言葉が?!…驚く俺にミュラは語りかけてくる。
『これはボクの姉さん…ラグーナの魔法…君が言葉通じないからね…ボク達はここで闘って主人となるべき人を探していたけど、ようやく巡りあったみたい』
「そりゃ光栄たが…俺はこの地方の人間じゃないよ…それにここがどこだかも解ってないし」
言葉に出して言ったが、向こうはどうやら理解もできるようみたいだ。

『関係無いよ…それはボク達にとって大した問題じゃない…要はボクを倒してしまえば謎は解けるだろうし、ボク達が君に全てを捧げて助けるよ…でも、ボクを倒せたらの話だけどね、君にできる?』
笑うミュラ、どっちにしろ倒さなければ未来がないのには変わりないようだ。
こうなれば、全てを出し尽くして闘わないと…

――しかし魔法だの何だの、いよいよ訳が分からなくなって来たな。大体全てを捧げるって何の話だ?こっちは日本大使館までの道が分かればそれで十分なんだよ。まあそんなことはどうでもいいか…
とりあえず貝丞にはやることがあった。真面目な顔でミュラに話しかける。
「勝てるかどうかは俺の知ったことじゃない。そんなことより一ついいかな?」
『何?』
「さっきのやつ、もう一回やってほしいんだけど」
『何だって?』
さすがにミュラは驚いた顔をしたが、すぐに笑って言った。
『今やらなくても、ボクに勝てばいくらでも触らせてあげるよ』
「いやいや。そうじゃない」
貝丞は苦笑して首を振った。
「あの時あなたが放してくれなければ、今頃俺は窒息死していた。あの体勢から俺が自力で抜けない限り、本当に勝ったことにはならないと思うんだけど…どうかな?」
『ふうん…』
ミュラはしばらく考え込んでいたが、やがて寝転がったままの姿勢で貝丞に向かって両手を広げた。
『分かった…いいよ。おいで』
「悪いね。いやホント」
貝丞は片手でミュラを拝むようにした。
ミュラに歩み寄って彼女の両足の間に跪くと、ゆっくりと頭を彼女の胸の上に差し出す。
観客がざわめいた。何を考えてるんだあいつはとでも言っているのだろう。
ミュラが貝丞の首筋に両手を回した。そのまま自分の大き過ぎる胸に貝丞の顔を押し付ける。再び貝丞は呼吸ができなくなった。
――これで前と同じだ!そう言えば、さっきのあれは予知夢だったかな!?
今度は抱きしめられる前に大きく息を吸って小さく吐き、肺に十分な酸素を吸い込んでいる。だから厳密には前と同じ状況ではないのだが、そこは笑ってごまかせだ。

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