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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 17

貝丞は左肘でミュラの右膝を押さえ、床に向かって押した。ミュラの足を床に押さえつけ、その足をまたぎ越して体の横に回り込みたいのだ。
だがミュラは両足で貝丞の胴を挟み、さらに貝丞の頭を両腕で抱えてそれを許さなかった。
――ぐ・・・凄い力だ!
下になったミュラが両手両足で貝丞の体を締め付けた。貝丞は右手でミュラの腕を自分の頭から外そうとし、左の肘はミュラの足を押し続けた。
だがミュラの両足が貝丞の後ろでがっちり組まれていて、これがなかなか外れないのだ。しばらく悪戦が続く。
「うぐっ!」
一息つこうと左肘をミュラの足から離した時、急に右の脇腹に激痛がぶり返した。ミュラが組んでいた自分の足を解いて貝丞の脇腹を膝で蹴ったのだ。
一瞬息が詰まる。ミュラが腕に一気に力を込めた。
――しまった!体勢を逆転して上になる気か?
貝丞はあわてて両足を踏ん張ったがやるだけ無駄だった。ミュラは貝丞の顔を、ほとんど何も着けていない自分の豊満な胸に押し付けたのである。
「!!!?」
巨大なスイカのような乳房の間に貝丞の頭が埋まる。柔かい肉が口と鼻をふさいで完全に呼吸が不可能になった。
押しつけられた乳は、筋肉質な身体の中で信じられないぐらい柔らかく、また圧倒的なボリュームで貝丞の呼吸を奪う。
その上、男女の差はあっても悲しいかな貝丞はかなり小柄であり、ミュラは堂々とした体躯……体格差にものを言わせて抱きしめられては貝丞に抵抗する術は無かった。

それでも貝丞は勝負を諦めていない。
たとえ望んだ戦いでなくとも、負けるのは嫌だからだ。
それが貝丞に勝つための作戦を考えさせていた。

一か八か!……
思い切った奇策に出る貝丞だったが、まだ冷静な判断ができる状況ではあった。
四肢の力を抜き、精神を落ち着かせ余分な動きを避ける。
確かに息はできないが、無理やりに息を吐こうとせずじっと我慢した。
息を吐こうとして、息を吐けたら楽になるし、本能的にはそうしたいのを抑える……吐く息の中にも酸素はかなり残っている。吐くのを我慢する事で、肺は残りの空気から必死に酸素を取り出し始め、吐くより長く呼吸を止めても持つのだ。

それだけでなく、身体の力を抜いて何も考えないようにしていく。
酸素消費量を減らす為であった。
本来は潜水夫達の技術であり、貝丞も知識として知っていたが試すのは初めてである。
まるで気絶したように見えるから試合を止められる可能性はあったが、一発逆転の為にはミュラが力を抜いてくれるのに賭けるしかない。
だんだん苦しさは増すが、感覚だけを研ぎ澄まし、その一瞬の隙を狙う貝丞……

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