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メロン・ワールド
官能リレー小説 - ファンタジー系

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メロン・ワールド 12

どのくらいの金額かは知らないがかなりの枚数がある。ぱっと見で日本の紙幣ほどの印刷技術でないのが分かるが・・・
――なんだこりゃ?
紙幣の端の図案が生き物のように動いていた。ホログラムかと思ったがそうではない。明らかにインクが移動している。
ここは本当に21世紀の地球なのか!?
――まさかな。試合のダメージで頭がちょっといかれたんだろう(汗)
今のところまだ一発の攻撃ももらっていない事実を記憶の彼方に封印し、ついでに札束も小さく丸めて短パンのポケットに入れると貝丞は観客をぐるりと見渡した。
そう、今度は貝丞が新たな挑戦者を迎え撃つ番なのだ。
――ここからだな!どんな奴が出てくるんだろう?
だが一方で、今の試合(プラス乱闘)を見て名乗りを上げる奴はいないんじゃないかという考えも貝丞の心にチラついた。オグロロと戦おうという者さえ自分の他にはいなかったのだ。現に観客席は静まり返っている。
――終わった・・・かな?
貝丞がそう思い始めたとき、突如今までとは比べ物にならない大きな歓声が観客の間から起こった。
振り返ってみると一人の女性が舞台に上がってくるところだった。
それを見た貝丞の第一印象は、
――ずいぶん露出の多いラウンドガールだな。
というものだった。
185センチはあろうかという長身で、褐色の肌に銀色の髪という組み合わせだった。年齢は20台前半だろうか。
引き締まった体つきだが出るところは出まくっている。とりわけ乳房はバスケットボールでも移植したのかと思うほどの大きさと張りだった。
そしてその体を包んでいるのは大部分が紐で構成されたビキニでしかない。
乳房を覆うのはほとんどニプレスと大差ない面積の布で、数センチでもずれれば乳輪が見えそうだった。
腰を覆う部分も陰部を辛うじて隠す以外は全て紐になっており、(貝丞の位置からは見えないが)尻は割れ目のほんの狭い面積以外完全に剥き出しになっていた。
とにかく凄い人気らしく、あまりの歓声に貝丞は思わず耳をふさぎたくなった。舞台に上がる前と違ってそうしなかったのは、単に格好悪そうだからという理由である。
――こりゃ耳がたまらないな!
貝丞の近くで舞台を見上げている男が「ミュラ!ミュラ!」と連呼しているのが聞き取れた。どうやら女性はミュラという名前らしい。
――しかしこのミュラさんも試合があるかどうか分からないのに仕事熱心なことだ!それとも格闘技の試合はお開きにしてストリップでもやるのか?もっともそ
れにしちゃ元から脱ぎ過ぎな気もするが。
日本の大相撲では取り組みが終わったあとに弓を持った力士が出てきて土俵で踊るという慣わしがある。
それならば格闘技の試合の後にストリップを見て殺伐とした心を和ませる習慣がこの国にあったとしても、別に怪しむほどのことではないだろう。
だがもし仮にストリップだったらそのまま回れ右して帰ろうと貝丞は思った。

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