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魔剣と聖剣と妖刀
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔剣と聖剣と妖刀 2

こう言ったのはザネル・フォン・グランヴィア。ニルバッハ王国の筆頭貴族、グランヴィア公爵家の子弟で、サージュやグレイグたち新入生のリーダー格を張っている。
「待てよザネル、サージュは落ちこぼれなんかじゃない。お前なんかよりよっぽど剣の腕は立つぜ」
「な…何だと…!?」
グレイグはサージュの実力も知らずに一方的に彼を見下すザネルに妙に腹が立ったのだった。
「お前…ちょっと周りからチヤホヤされてるからって調子に乗りやがって…!!」
ザネルは怒り任せに木剣をグレイグに振り下ろした。予告無しに攻撃を仕掛けるのは騎士道精神に反する行為である(混戦・乱戦時は除く)。だが、グレイグは咄嗟の事にも関わらず平然とザネルの木剣を木剣で受け止め、彼を睨み付けて言った。
「やるか…?」
「く…くそぉ…覚えてろよ!行こうぜ、みんな!」
「あ…ああ…」
「そうだな…」
ザネルは仲間達を連れて去って行った。
「ありがとな、グレイグ。でも良いのか?俺なんかの肩を持ってザネルを敵に回しちゃってさ…。あいつの親は偉い貴族で教師達も言いなりだ。それに、他のみんなとも…」
「良いんだよ。媚び目的で寄って来るような奴らなんて…。それに俺は教師も権力も怖いなんて思わない。俺はこの学園で俺の剣を極めたいだけだからな」
「そっか…お前は強いな、グレイグ。やっぱ才能のある奴はすげーや」
(何言ってるんだ…。本当はお前の方が俺の何倍も才能があるんだぜ、サージュ)
グレイグがそんな事を思っていると、一人の少女が二人の前に立ちはだかって怒鳴りつけた。
「サージュ!グレイグ!いつまでそこで油売ってるの!?次は学科の授業よ!早く着替えて講堂に行かないと間に合わないじゃない!」
「ア…アメリア、分かったからそんなにまくし立てるなよ…」
「そうだよ、だいたいお前も俺達なんて待ってないで先に行けば良いだろ…?」
彼女はアメリア・フューラー、ちょっと口うるさいが黙っていれば可憐な美少女で、男子達の憧れの的なのだが、なぜかサージュとグレイグと仲が良い。おそらく彼女もグレイグに気があるのだろうな…とサージュは思っている。ただ、彼女は他の生徒達とは違い、サージュを見下す事無く普通に接してくれるので、サージュも彼女の事が(友達として)好きだった。

さて、ここは学園長室。中央の大きな机の椅子には、立派な白髭を生やした老人が座っている。
「久しぶりじゃのう、シュトルフェラー。元気そうじゃな」
「はい、お陰様で。オーギュスト総帥」
室内には老人の他にもう一人、軍衣に身を包んだ若い女性の姿があった。王国騎士の証である紋章の入ったマントを羽織った凛とした印象の女性である。
「ほっほっほ…総帥はやめとくれ。昔の呼び名じゃ。今のワシはこの王立騎士養成学園の学園長じゃで…」
老人の名はオットー・フォン・オーギュスト。かつて王国騎士団の総帥を務めた男で、50年以上前にニルバッハ王国と隣国との間に行われた戦争の英雄でもある。
「聞いたぞ、シュトルフェラー。第七騎士団の団長に就任したそうじゃな。その若さで大したもんじゃ」
「いいえ、まだまだ未熟者です」
そう言って微笑む女性騎士。彼女はエリーナ・シュトルフェラー。オーギュストのかつての部下だ。
「ほっほっほ…未熟だなんてとんでもない。ここはこんなに熟して…ウグッ!?」
愉快そうに笑いながらエリーナの傍らに接近し、彼女の豊乳に手を伸ばしたオーギュストの脇腹に肘鉄が炸裂した。
「うぅ〜〜…か…かつての上官であり師でもあるワシに肘打ちを食らわせるなんて…お前は何という女じゃ…」
「当たり前です!…ところで本日こちらにお伺いしたのは、オーギュスト殿のお耳に入れておきたいお話がございまして…」
「何じゃ?女房に先立たれた独居老人に良い縁談でも持って来てくれたのかね?ちなみにワシは40歳以上年下のお姉ちゃんが良い…」
「断じて違います!…実は最近、北方の大国ゴルドリア帝国が怪しい動きを見せているのです。9000年前の大戦の最中にバラバラになってしまったという伝説の聖剣と魔剣のうち、魔剣の方を密かに探し出して集めていると言うのです」

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