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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 96

「僕達が、勝ったの?」
大和がポツリと呟いた。
しかしその答えは明白である。
何しろ周りにいる味方が勝利を喜んでいたのだから。
大和は周りを見渡して1人1人の顔を見た。
マルティールもハイネも満面の笑みを浮かべている。
向こうからは馬に乗りながらレイとジェンが、こちらに向かって走っている。
そしてソフィー…

大和はソフィーの様子がおかしいことに気がついた。
「王、やりましたね!」
「やったね!あのギルダーを倒すなんてすごいよ!大和君」
大和の傍に来たレイ達が声をかける。
が、彼の目はソフィーに向けられたままだった。
途中ハイネも駆け寄って来たがそれにも気づかない。
そして……


ソフィーの体が倒れた。
「ソフィーさん!」思わず大和が叫んだ。
周りで勝利を喜んでいた兵士達もソフィーが倒れた事に驚く。
そしてソフィーの後ろに男が1人、その男の肩に子供が1人いた。
立っている男は隻腕で、その手には血まみれの短刀が握られていた。
大和はその男に見覚えがあった。
「…シュウ…」
大和が呟く。
その暗殺者はかすみの兄で、甲伊の里で頭領である虚空を襲った男、八星将軍 
風の王を名乗るシュウであった。
「よくもソフィーさんを!!」
大和が叫び、シュウに向かって走った。「いけない!大和様を止めないと!」
ガルドが言うやいなやレイ達と一緒に大和の後を追った。


「ねぇシュウ。なんか走ってくるよ。」シュウの肩に乗った子供が、指を指して言った。
もちろんシュウも気づいている。
「あれは…確か甲伊の里にいた…大和」
シュウが呟く。
「甲伊の里って、シュウが左腕無くしちゃった所でしょ?」「あぁ…そうだ」
話している間にも大和が走ってくる。
「無謀な…」
「どうするの?シュウ。戦っちゃう?」「ギルダー如きに手間取った奴の相手などしない。第一俺たちの任務はソフィーの暗殺だ。そして…それはもう終わった…」
シュウは足元で倒れるソフィーを見ながら呟いた。
しかし肩に乗る少年は不服そうだ
「でもさー。喧嘩売ってくんなら買ってもいいよね?」
少年はそう言って肩から飛び降り、シュウの前に立った。
一方の大和はシュウをぶん殴ろうと拳を握りしめたが、シュウの前に子供が立ちふさがっていたため、飛びかかれなかった。
「ねぇお兄ちゃん。僕が相手しよっか?」
子供が大和に向かって言った。
もちろん大和はムカッとする。
見たところまだ10歳にも満たない、小学校低学年ぐらいに見える。
(なんだ、この子?)
大和も、後を追ってきたレイ ジェン ガルド ハイネも同じ気持ちであった。
(…なんだ、この子?)

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