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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 90

大和が頷いた。
「うん。いいよ、その後で…」
「じゃ、まずはこの子を治療しないと。いくわよ、シホ!」セリスはさっきからジッとしてるシホに向かって言った。
「うん。わかった…」
「本当に分かってるのかなぁ?じゃあ大和君、行こっ!」
とセリスは女を背負い大和と歩き始めた。
その後をシホが続く。



治療も終えて、女をベッドに寝かしたセリス達はティナの病室に向かって歩いていた。
セリスと大和が並んで歩き、その後ろを数歩離れてシホが歩いている。
そのシホは先程から大和の姿をジッと見つめていた。
(…ティナの病室を忘れた?…一度来れば忘れる訳ないのに…)
確かにティナの病室は、二階の一番奥という簡単で覚えやすい場所に位置していた。
(…大体、外ではまだ戦闘の音が聞こえている。つまりまだ戦は終わってない…それなのに大和様は平然とここにいる。…何故?)
シホが考えている間に3人はティナの病室の前まで来ていた。
「ここだよ。ちゃんと覚えた?大和君。」
「うん…覚えた…」大和が小さい声で答える。
セリスが不審に思った。なんだか様子がおかしい。
「大和君、大丈夫?様子が変だよ。」
セリスも様子がおかしい大和をだんだんおかしいと感じ始めている。
その様子のおかしい大和が突然喋り始めた。
「変?変じゃないよ。変なのは…お前達だ!!」
突然大和がセリスの方を向いた。
その大和を見た瞬間セリスの顔が真っ青に染まった。
なんと大和の目が真っ赤に充血しており、顔の真ん中にひび割れのようなものが、いくつも入っていたのである。
大和は手の爪を小刀のように伸ばすと、その恐ろしい顔に怯えるセリスに思いっきり切りつけた。
「きゃぁ!!」
反射的に後ろに下がりそれをよけるセリス。
しかし完全に避けきれず彼女の体に数本の切り傷が浮かび上がる。
「セリス!」
シホが叫びながら彼女に近づいた。
「大丈夫?セリス。」
「こんくらい平気よ。それより、こいつは何なの?」
2人の目の前では、大和、いや大和の姿をした化け物が少しずつ姿を変えていった。
皮膚の色が肌色から緑に、顔も変形しカエルのような顔に角が2本、生えている。
それはどう見ても人間とは思えない異形の存在であった。
やがて変態が終えた化け物はセリスとシホに向かって
「我こそは魔王軍、八星将軍の1人、土の王ベリアル様が配下、ブラウニー様だ!どうだ?驚いたろ?」
と名乗り始めた。
言葉通り、確かに2人は驚いていた。
このカエル野郎が、あの女の子のような顔をした大和に、化けることが出来たことは、もはや奇跡に等しいと2人は考えていたのである。
気を取り直してセリスはブラウニーに叫んだ。
「あんた!なんで大和君に化けていたの?」
「俺はベリアル様から命令されて来たのさ。ここに眠っているティナを暗殺しろってな。」

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