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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 9

闇に沈む街道沿い。街道そばの空き地に灯る炎。
時折夜行性の鳥か何かの鳴き声がそっと通り、晩春のそよ風がさらりと吹き抜けてゆく。 そんな中、2人は静かに寝入っていた。


大和は夢を見ていた。森の中の細い道。使われなくなって久しいであろう、アスファルトはおろか石畳もない小道。
どことも知れない森の中。そんな小道を延々と歩いていた。
「ここはどこなんだろう・・・」
夢の中、彼はひたすら小道を歩いていた。周りにはレイも元の世界の誰もいない。 ただ一人、歩いていた。
左右の森は青々と、道の上は蒼い空、道をなぞって緑の合間に蒼い空が伸びている。
そんな中を大和は一人、歩き続けていた。
夢の中で彼は、ただただ歩いていた。
どれほど歩いたのだろうか。
森のかなた、細い青空の中に、茶色い棒が立っていた。
彼はただ、歩き続ける。
夢の中だからか、それともさほどの道のりではなかったのか、足は疲れも痛みもない。

歩き続けて、少しずつ、その茶色い棒が大きくなった。
青空に1本立っていたその棒は、立っていたのではなかった。何時建てられたのか知れない、古めかしい塔だったのだ。
その塔の方向へと、大和は歩き続ける。
そして不意に視界が左右に開けた。森が途切れたのだ。
大和の目の前には直径4、50mかと思える平地があり、その真ん中にその塔がどっしりとそびえていた。
茶色い煉瓦に覆われた古い塔は、大和の眼には150mほどはあるかと見えた。
何とはなしに塔へむけて足を進める。
丁寧に作られた、古びた頑丈そうな木扉。大和が押すと手もなく開いた。中には石壁にはさまれた細い通路。
静かに足を踏み入れる。少し進むと、螺旋階段に行き当たった。周りを見てみると、吹き抜けになっている。直径4mほどの螺旋階段。外側はおそらく分厚く石が積んであるのだろう。大和の足が1歩1歩、螺旋階段を上りだす。
最上部からの光がうっすらと届く。その光を目指してゆくように、彼はゆっくりと階段を上っていた。
どれほど上ったのだろう。ビルなら40階は上ったのだろうか。いつしか螺旋階段には、時折横に扉がつくようになっていた。
入ってみると、いつしか懐かしさのような気持ちが浮かんでいた。
階段の横にある扉。上る途中に時折あるそうした扉を開くと、ある部屋には干し肉が吊るしてあり、またある部屋には本が数多く積まれていた。どの部屋も単なる倉庫といった風情で、そこには誰もいない。ただ捨てられたような雰囲気はないので、誰か住んではいるのかもしれない。
そして、いつしか大和は最後の扉の前にいた。ここで螺旋階段は終わっていた。
扉を、ゆっくりと開いてゆく。

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