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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 259

(…その予言が、もし嘘だったら?…その場合は伝説の王など存在しない事になる。…イリス様はそう考えているのか?…だが、もし予言が嘘だったなら、この少年の胸のあざは一体?)
「あの、大丈夫ですか?」
いつの間にか大和が不安そうな顔で、エミリアに近づいていた。その声にエミリアの思考も現実に戻る。
「いや、何でもない。気にするな、少年。」
エミリアは頭の中の疑問を振り払った。このままの状態では、大和の姿をみるたびに険しい表情になってしまう。
「ところで、イリス様遅いですね。」
大和が話題を変えてくれたことにホッとするエミリア。しかし、彼女もイリスの姿が見えないことに、少なからず不安を抱いていた。
「まさか、イリス様の家を出るときに現れた襲撃者がイリス様を…」
「そんな事あるわけないだろう、少年。イリス様ならすぐに来るさ。」
その時、凄まじい速度でこちらに向かって飛んでくる一匹の小鳥がエミリアの目に移った。
小鳥は紫色の羽をパタパタと羽ばたかせながら、大和の頭上をぐるぐると旋回し始めた。
(……なんだ?)
大和が疑問に思った時、小鳥は大和の顔の前にチュンチュンと鳴きながらやって来た。
そして、大和と小鳥の目と目が合ったその瞬間、

ボワンッ!!

突然、小鳥が煙に包まれた。驚いた大和が腰を抜かし、地面に派手に尻餅をつく。
煙は最初モクモクと立ち上るだけだったが、徐々に一カ所に集まっていき、人の形を作っていった。
そして、それが消えたと思ったら、
「なんじゃ、情けない姿じゃのう。」
なんと、杖を持ったイリスが微笑みながらそこに立っていた。
「イリス様!」
驚いた大和が急いで立ち上がった。大和の後ろでは、エミリアがニヤニヤと笑っている。どうやら小鳥の正体に最初から気づいていたらしい。
イリスが辺りを見回して、
「ふぅ、すまんすまん。随分と遅くなってしまったな。では早速、魔法陣を起動するが準備はいいな?」

その時、大和の肩をトントンと誰かが叩いた。後ろを振り向くと、そこには目を丸くしたアーカートとティナが立っていた。
「……えーと、大和君。も、もしかして……この人が…イリス様?」
「はい、そうですけど。」
大和が平然と言った。
それを聞いたアーカートとティナがさらに目を丸くする。どうやら、彼らのイメージしていたイリスと目の前のイリスのギャップに驚いているらしい。
イリスがアーカートの存在に気がついた。

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