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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 253

やがて、エミリアは派手な装飾が施されたドアの前にたどり着いた。そのドアを迷うことなく乱暴に蹴り開ける。
ドアを開け、中に飛び込んだエミリアの後をベリアルがドアをこれまた派手に吹っ飛ばしながら中に侵入してきた。



マジックドーム。ルカジマ魔法学校が誇る建造物である。
高さは50メートルはあろうか。学校の生徒全員が楽に入れるだけあって広さは相当な物だった。
「待ちやがれ!」
ベリアルが叫ぶ。
それを無視し、エミリアはドームの床の真ん中に描かれたルカジマの紋章を見た。
(…あれか)
エミリアはチラッと後ろを見た。ベリアルは彼女を全く疑っていないようだ。
(……奴は本当に私が逃げていると思っているらしいな。まぁ、こちらとしては都合がいいがな)
心の中でほくそ笑みながら彼女は床のルカジマ紋章に向かってベリアルを誘導していた。
ドームの中はベリアルが走る度に凹んだり、時節、穴が空いたりもしたが、エミリアは逃げるスピードを巧みに操りながらベリアルを翻弄した。
一方のベリアルも苛立ちが募るばかりだ。
エミリアの俊敏さは半端ではない。ベリアルが追いついたと思って手を伸ばしたら、急に目の前から姿を消すのだ。
それでいて逃げる時はベリアルのスピードに合わせてゆっくりと逃げるから、その光景は彼にとって屈辱そのものだった。
(この牝!捕まえたら、ただじゃおかねぇからな!)
ベリアルの額に血管が浮いているのが見える。
そして、それはエミリアがドーム中心に描かれた紋章の上を通過したときに起こった。
エミリアが通った紋章の上をベリアルも当然のように通ろうとした。
だが、ベリアルが床のルカジマ紋章を力いっぱい踏みつけたその瞬間…
「ぐあッ!!」
突然ベリアルの体が動かなくなった。見ると彼の全身の至る所に黒い電撃がまとわりついている。
「チッ、罠だったのか!」
この時、ようやくベリアルは自分がエミリアに罠にはめられたことを悟った。
見ると、エミリアは入ってきた時とは別のドアからドームを脱出していた。ベリアルは中に1人取り残された形となる。
「ふざけやがって!こんな罠、さっさと脱出してやるぜ!うぉりゃあーー!」
憤慨したベリアルが何とか罠から脱出しようと試みた。可能な限り力を出して、自分にまとわりつく電撃を引き離そうとする。
すると、少しずつではあるが彼を束縛する電撃が弱まっていくではないか。

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