PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 250
 252
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達 252

かすみが火をつけると、狼煙が上がった。しかも灰色の煙ではなく赤い煙である。
「さて、後はベリアルが罠にかかるのを待つだけだな。」
かすみがバルコニーから身を乗り出し、一階のホールの中心を見下ろした。
彼女の視線の先には、一階ホールの中心に描かれている白い白鳥の絵、ルカジマの紋章があった。



「…悪いが、貴様につきあってる暇はないようだな…これで終わりだ!」
エミリアが長刀を構えると、猛スピードでベリアルに突っ込んだ。
「けっ、血迷ったか。グチャグチャに叩き潰してやるぜ!!」
ベリアルが、その大木のように太い腕を振り上げた。
しかし、それを見てもエミリアは一向に止まろうとしない。むしろスピードを上げているではないか。
そして、エミリアがベリアルの前に到達し、ベリアルが腕を思いっきり彼女に向かって振り下ろされたその瞬間…

エミリアが消えた。

「何!!」
驚いたベリアルが頭上を見上げた。
その上を膝を丸め、体を前にクルクル回転させながらエミリアが通過する。
なんと、彼女はベリアルが腕を振り下ろした直前、地面を思いっきり蹴り上げ上空に飛び上がったのである。
エミリアはベリアルの背後に着地すると、そのまま脱兎の如く走り去ってしまった。
これを見て憤慨したのがベリアルである。
「けッ!負けそうになったら、逃げるのか。ふざけやがって、逃がすと思ったか牝犬!!」
すぐさまベリアルが後を追う。
逃げるエミリアに追いかけるベリアル。
目を真っ赤に血走らせ、ドスンドスンと地響きをあげながら走るベリアルの姿は、まるで怒り狂った闘牛である。
一方、逃げる闘牛士のエミリアであるが、時折、後ろを振り返りながらベリアルと距離を一定にして走っている。
やがて2人は学校の中に入った。中に入っても2人の追いかけっこは変わっていない。
しかし、罵声を発しながら追いかけてくるベリアルを気にしながら、エミリアはある場所に向かっていた。
廊下を右に左に、階段を上ったり下りたりしながらも、エミリアは後ろのベリアルがある程度ついてこれるぐらいのスピードで走っていた。
「この野郎!待ちやがれ!」
ベリアルが逃げるエミリアの背中に罵声を浴びせる。
その中には、女性が聞いただけで赤面するぐらいの卑猥な言葉もあったが、エミリアは耳を貸さず、目的地に向かってベリアルをうまく誘導していた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す