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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 247

そこに、
「お目覚めのところ悪いのだが……死んでもらおうか…」
相手を嘲笑うような冷たい声がエミリアを現実に引き戻した。
エミリアがとっさに飛び退くと、先程まで彼女が倒れていた場所に勢いよく剣が突き立てられた。あと数秒遅かったら彼女は串刺しにされていただろう。
「おや、残念だ。せっかく君の死体を飾り付けして部屋に飾ろうと思ったのに……」
ハディストはその光景を思い浮かべたのか、1人ニタニタと笑い始めた。
(……狂ってる)
エミリアは体勢を立て直すと、長刀を構え再び戦闘態勢に入った。
「死体になるのは貴様だ、ハディスト!!」
「……ほぉ。しかし私の動きも全く掴めないのに、どうやって殺すのかな?」
ハディストが相手を見下した目で言った。
するとエミリアはニヤリと笑うと、何を血迷ったのか、急に両方の目をつぶってしまったではないか。
これに驚いたのはハディストであった。
「……何を考えている?暗闇の中で私に勝てると思っているのか?」
「……………」
エミリアは口を閉ざしたまま、答えようとしない。
ただひたすら目を閉じて、ジッと長刀を中段に両手で真っ直ぐに構えているだけである。
その様子にとうとうハディストは愛想を尽かした。
「……君はもう少し賢い女だと思っていたが、……残念だよ!」
瞬間ハディストが動いた。彼はエミリアと10メートルは離れていたはずなのに、僅か1秒程でエミリアに接近していた。狙いは彼女の首だ。
「死ねーーーー!」
ハディストが叫びながら短剣を振った。横薙の一閃。ハディストの短剣が彼女の首を跳ね飛ばそうとしたその時……
ガキーン…

「ばっ…馬鹿な…!?」
見事とまでエミリアは動きを感じとり、防御と同時にナイフを突き飛ばし、そのまま長刀はバディストの左胸へと深々と突き刺した。
「ぐふッ!!」
ハディストの口から大量の血が飛び出し、地面を真っ赤に染めた。
彼の手から短剣が滑り落ちる。足もガクガクと震えているようだ。
ハディストは一度顔を上げ、返り血を浴びて全身がトマトのように赤いエミリアを見た。
そして……

ドサッ……

乾いた音を部屋中に響かせながら、ハディストが倒れた。


「お、親分……」
「ひ、ひょぇーーー!」
「あ、あの女……ば、化け物だ……」
「に、逃げろー!!」

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