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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 245

しかし、そのエミリアの猛攻撃も、ハディストは全て紙一重でかわしていた。時節、長刀が彼の体を掠るが斬れたのは服だけで、ハディストの体には傷一つ出来ていない。
彼はエミリアの動きを、その冷たい瞳でジッと見ているだけであった。短剣も持っているだけで、攻撃にも防御にも使っていない。
「くそ、なぜ当たらない!」
一太刀も当たらない事に、エミリアが苛立ち叫んだ時だった。
「分からないのか?」
ハディストがボソッと呟いた。
「君はもう少し賢いペットだと思っていたのだが……君には失望したよ。」
エミリアの攻撃をかわしたハディストが唐突に剣を振った。
エミリアはギリギリ避けることが出来たが、彼女のブロンドの長い髪が何本か斬られ、地面に落ちた。
「君との1年は非常に楽しかったよ。でも…」
喋りながら、ハディストは剣の先端をエミリアの首の高さまで上げてきた。
「サヨナラだ!」
ヒュン!!
瞬間、ハディストが目にも止まらぬ速さで動いた。
彼は驚異的な速度で、エミリアに近づくと持っていた短剣で下から斬り上げた。
「なに!?」
エミリアが目を見開く。とっさに防御の構えをとった。しかし間に合わない。
ザンッ!!
斬られ、エミリアの左足から血がほとばしる。
「クッ!」
痛みで顔を歪めるが、彼女はすぐに反撃に出た。
長刀を振りかざし、ハディストの頭めがけて降り下ろす。
そして、刀がハディストの頭蓋骨を切り裂こうとした瞬間、ハディストの姿がフッと消えた。
「どうした?私ならここだよ。」
驚きを隠せないエミリアが声のした方を向くと、そこには彼女を嘲笑うハディストの姿があった。
「バカな……」
エミリアが思わず呟いた。
その様子をハディストは楽しそうに見ている。
「貴様、一体なにをした?」
「何を?君に教える理由があるとは、私には思えないがね。自分で考えたらどうだ。では次!」
またハディストの姿が消えた。
そして消えたかと思ったら、一瞬でエミリアの近くに現れ、攻撃を仕掛ける。そして、エミリアが反撃に出ようとすると、また消えて遠くに現れる。
「チッ!」「ガハッ!」「クソッ!」
時間が経つに連れ、エミリアのダメージがどんどん増していく。
(…クソッ!何とかしなければ…)
彼女の顔に焦りの色が浮かんできた。
だが、いくら焦ってもハディストの動きはどうにもならない。本当に瞬間移動してるのではないかと思うくらいだ。
なすすべもないまま、エミリアのダメージだけが確実に増えていった。



「グハッ!!」
そして、ハディストにズバッと脇腹を斬られた時、エミリアは地面に崩れ落ちた。

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