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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 242

「こ、これは………」
エミリアが目を見開いた。刀を握る手はガタガタと震え、目からは涙まで出てきた。
エミリアは、その刀に見覚えがあった。昔は毎日のように見ていたと言ってもいい。その刀の使い手はエミリアの目標でも、自慢でもあり、安らぎでもあった。
「…………母上」
彼女の涙が、握りしめる刀の鞘にこぼれ落ちた。
今まで、どんな屈辱を受けても流さなかった涙である。
彼女は涙を流しながら、母の形見の長刀を抱きしめた。
その時、ドカドカと足音が近づいてきた。そして…
バタン!!
無造作に扉が開かれた。
「おーい、見つけたぞ!!宝物庫だ、早く来い!」
エミリアを見つけた子分が大声を出すと、剣を構えながら、ゆっくりと近づてきた。
「…チッ、手間かけさせやがって」
子分は、エミリアの後ろ姿が見えている。しかし、彼女は背後に敵が近づいているにも関わらず、刀を抱えながら、しゃがんだままである。
「へっ、臆したのか。生憎だが、脱走者は例外なく処刑らしいぜ。もっとも、処刑前に俺たちが楽しむのも悪くはな……」
子分がニタニタ笑いながら近づいてきた瞬間、突然エミリアが立ち上がったかと思うと、子分の方を向いた。
いや、その瞬間には、エミリアの長刀が子分の体を左右対象に切り裂いていた。
ドサッ……
2つに割れた子分の体が地面に転がった。
それと同時に、別の子分達が2人、宝物庫にやって来た。
「なっ!この野郎!舐めたまねしやがって!」
剣を抜き、エミリアに襲いかかる2人。しかし、結果は同じだった。
3秒もしないうちに、新たに2つの死体が出来上がる。
「…………」
エミリアが無言のまま廊下に出る。
そこに、
「野郎!よくも兄弟分をやりやがったな!」
「挟み撃ちにしちまえ!」
廊下の左右から2人ずつ、計4人の子分が現れた。エミリアを挟み撃ちしようという狙いである。
「やっちまえ!」
かけ声と共に、左右同時に子分達が襲いかかってきた。
彼らの発想は悪くなかった。なぜなら狭い廊下の中で3メートルの長刀を振り回すのは非常に困難だからである。
だが、母の形見という最強の武器を手に入れたエミリアを、挟み撃ち程度で打ち取ろうというのはいささか考えが甘かった。
彼女は刀を頭上に構えると、まず右から襲いかかってきた敵2名に瞬時に近づき刀を一気に降り降ろした。
ブン!!
風を切り裂く音が廊下中に響き渡る。瞬く間に、敵2名の体が真っ二つに裂けた。
しかし、右の敵を倒している間に、左からやってきた敵が彼女の背後から襲いかかった。敵は既に剣を構えている。
「もらった!」
雄叫びをあげながら、剣を降り下ろす。
それに対して、エミリアは何を血迷ったか、刀を横に構えるとそのまま横に剣を振った。薙払いの技である。
案の定、長刀は狭い廊下に阻まれ、刀が壁にぶつかった。

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