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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 241

しかし、闇雲に逃げてばかりでは埒があかない。このままでは脱出より先に、彼女の体力が尽きる事は明らかだった。
まず第一に、追っ手をやり過ごす必要があった。
とっさに近くの部屋に逃げ込んだ。扉を閉め、扉に耳を近づけると数人の足音がこちらに近づいてくるのが聞こえた。
急いで部屋の中を見回すと、エミリアの体が十分に入るくらいの棺桶が置かれていた。とっさにその中に入り込む。
エミリアが棺桶の蓋を閉めるのと、部屋の扉が開いたのが、ほぼ同時だった。
ドクン…ドクン…
棺桶の中で息を潜めるエミリア。彼女の心臓は恐怖と絶望で今にも張り裂けそうだった。
「……いないか」
そう呟く男の声が聞こえると、扉をバタンと閉める音がした。続けざまにバタバタと足音が聞こえた。音は幸運にも、どんどん遠ざかっていく。
「ふぅ、助かった。」
棺桶の蓋を開け、ホッと胸をなで下ろす。とにかく、彼女はギリギリの所で助かったのだった。
棺桶から出たエミリアは部屋の中を改めて見回した。
「…ここは…随分豪華な部屋なのね」
部屋の中には、豪華な服や武器、宝石などが置かれていた。先程エミリアが隠れた棺桶にも豪華な細工がなされている。
「他人から奪った金品や財宝を保管している部屋なのね。ここなら使える武器が何かあるかもしれない…」
とりあえず、脱出するための道具を探すことにしたエミリア。幸いにも子分達が近づいてくる様子は、今の所は無かった。
まず、彼女が最初に選んだのは服だった。しかし、あるのは男性用の豪華な服ばかりで、女性用は露出度が高い下着ぐらいしかない。
「…まともな物は…ないのか?」
やむなく、下半身は一番露出度が低いレザーパンツを穿くだけにして、上半身は貴族が使っていそうな黒いマントを羽織るだけにした。それはそれで、魅力的な姿である。
「…さて、次は武器なのだが…」
エミリアは思わず眉をひそめる。
そこにあったのは、豪華な宝石や派手な装飾が施された武器ばかりで、実用性は0なものばかりだからだ。
試しに至る所に宝石が散りばめられた剣を手に取り、思いっきりレンガの壁に向かって切りつけた。
ガンッ!
鈍い音が響いた。案の定、剣は壁に食い込むどころか、刀身にひびが入る有り様だ。
「……武器は諦めるしかないのか」
エミリアが他の武器を眺めながら、溜め息をついた……その時!
彼女の視界の隅に1つの武器が飛び込んできた。その武器は部屋の隅に無造作に放置されていて、他の武器と違って装飾などは一切施されていない。
エミリアがゆっくりと近づいて、それを手に取った。
長刀。3メートルはあるだろう。普通の剣と比べても明らかに長い。

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