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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 231

エミリアの頭にかあぁっと血が上り、顔中真っ赤に染まった。
まだ母親にしか見られた事が無い自分の身体を、ゲスな笑みを浮かべた男達に鑑賞されているのだ。羞恥心を抱かないはずがない。
「う…うう…」
エミリアは恐怖のあまり、思わず泣きそうになった。しかし、すんでのところで我慢する。
それはエミリアが、生前の母エミアから聞かされた言葉を思い出したからだ。
『エミリア。あなたの大切な仲間の前で涙を流すのは構いません。しかし、間違っても敵の前で、涙を流してはなりませんよ。』
『どうして?』
『涙は優しさです。しかし、同時に、涙は弱さでもあるのです。仲間の前で流す物は優しさ。敵の前で流す物は弱さです。敵の前で弱さを見せれば、敵は必ずその弱さに付け込むことでしょう。だから、敵の前では、決して涙を流してはなりませんよ。』
母の優しい言葉が少女エミリアの脳裏に響いた。
(そうよ。こいつらは敵!だから…泣かない!)
エミリアがキッと男達を睨みつけた。
その余りの迫力に、男達は思わずのけぞった。
「な、なんだ、このガキ?」
「小娘のくせしやがって、すげぇ殺気じゃねぇか…」
男達が震える声で、話している間にも、エミリアの殺気はどんどん増していく。
そして、その迫力に男達がさらに後退しかけた。
その時だった。
「お前達、何をしている?」
男達の背後から、低い男の声がした。
声と同時に、一斉に男達が振り返る。
現れたのは、紫色の長髪の男だった。上半身は裸、下は獣の皮を使った布を巻いており、腰には30cm程しかない短剣をさしていた。
「お、親分。」
「お前達、俺が珍しく褒美をくれてやったというのに…。裸の女の周りを囲むだけで、満足なのか?」
親分と呼ばれた男が、呆れた表情で言った。
年は20代後半だろうか。どう見ても、エミリアを囲んでいた男達より年下に見える。
顔立ちは整っており、盗賊団の大将というイメージとは、天と地ほどかけ離れた男だった。
「い、いや。そんな訳…な、ないじゃないですか。親分。」
男達の1人が慌てながら言った。この男も親分の男よりも、二周り程年上に見える。
「俺達だって、この上玉と、やろうとしましたよ。でも…」
男がチラッとエミリアを見た。それでようやく、親分の男が納得した。
「…なるほど。巨乳美少女の正体は、獰猛な虎だった訳か…」
親分と男達が話している間にも、エミリアの殺気はますます増していた。その迫力は獰猛な虎と言うより凶暴な獅子を彷彿させる。
男達の体がガクガクと震えていた。たった1人の少女に、なんとも情けない姿である。
しかし、親分の男だけは違った。エミリアの殺気を、平然と受け流していた。口元には笑みも浮かべている。

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