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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 227

「………ありがとう。」
モルティラニアが礼を言った。その瞬間、彼女の意識はスーッとどこかに飛んでいった。



「危ない!」
大和が、気絶した女の体を、とっさに受け止めた。
(ふぅ……でも、この人、すごい美人だな。胸も大きいし…顔も、かわいいし…ルカジマの町の人なのかな…)
まさか自分を探しに来たとは夢にも思わず、大和はグリフォンの背に彼女を乗せると、急いでアーカート達の所に向かった。
「……………」
「……………」
その間、エミリアとベリアルは終始無言で、互いを睨み合っていた。
猪突猛進なベリアルが、その場から一歩も動かないでおり、エミリアも刀の切っ先をベリアルに向けたまま、直立不動の姿勢を保ったままである。
その様子を、アーカート達は、固唾を飲んで見守っていた。
「一体、何者なんだ?」
ティナが小声で言った。
しかし、アーカートにも、シホにも分かるはず無かった。
先程の攻撃を見れば、一介の剣士で無い事は誰の目にも明らかなのだが……
「アーカートさん、ティナさん!」
ちょうどその時、大和がグリフォンと一緒に彼らの元に、やって来た。グリフォンの背にはモルティラニアと名乗った女が横たわっている。
「大和君、彼女は一体?」
アーカートが、いきなり大和に尋ねた。
「彼女はエミリアさんと言います。少し前に、お世話になった事がありまして、偶然イリス様の所にいらしたんです。」
「イリス様の所に?」
「はい、そのイリス様も、間もなくここにやって来るはずです。」
「イリス様が…そうか、よかった。」
アーカートがホッと胸を撫で下ろした。
「アーカート、早く乗れ!」
グリフォンの背に乗ったティナが叫んだ。見ると乗っていないのはアーカートだけとなっている。
「ああ、少し待ってくれ。」
そう言うと、アーカートは手を伸ばし、エミリアに人差し指を向けた。そして、ぶつぶつと呪文を唱える。
ヒュンッ!
そして、アーカートの指が光った直後、突然、風を切る音が聞こえた。
それと同時に、アーカートが大和の手を借りて、グリフォンの背に乗った。
「今のは、何ですか?」
大和が尋ねた。
「伝言魔法だ。相手に知られたくない事を伝えるのに使う魔法だ。今、学校で行われている秘策を伝えたんだよ。」
「…秘策…ですか?」
「ああ。今、君の仲間がその準備をしている最中なんだよ。」
アーカートが言い終わったのと同時に、グリフォンは彼らを乗せ、勢いよく空に飛んでいった。

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