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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 225

アーカートは、肋骨が折れているにも関わらず、落ちていた木の棒を杖に立ち上がり、彼の傍らでシホの治療を受けていたティナの方を向いた。
「すまないが、彼女を見捨てるわけにはいかない。ティナ、後の事は頼む…」
「アーカート、何を馬鹿な事を言う?そんな体で、ベリアルと戦えるわけがないだろう。瞬殺されるのがオチだ。」
彼女はアーカートの顔を真っ向から見据えて言った。
「だが、このままでは、彼女が危ない。もはや、かすみ君達の魔法陣解除の合図を、待ってる余裕は無いのだ。」
アーカートが言った、その時だった。

キョェェェーー!

突然、鳥が威嚇するような鳴き声が、アーカート達の耳に飛び込んできた。
思わず、3人が辺りを見回す。
「今の鳴き声は、何でしょう?」
シホが言った。
すると、突然アーカート達の周りが、パッと影のように暗くなった。
(…何だ?)と思ったらすぐに明るくなった。何かが、彼らの上空を通過したのである。
3人がほぼ同時に上空を見た。瞬間、3人の顔に笑顔が浮かんだ。
彼らが見たのは、巨大なグリフォンだった。全長は5メートルほどだろうか。頭と翼がワシ、胴はライオンで出来た怪鳥である。
しかし、3人が喜んだのは、別にグリフォンの事ではない。そのグリフォンの背に乗っている2人の男女。
前に乗っている美女の体に、必死にしがみつく少年の姿を見たからであった。



「ついたぞ、少年!」
グリフォンの背に乗ったエミリアが叫んだ。
一方、話しかけられた少年、橘 大和は無言だった。振り落とされないよう必死なのである。
「大和様!!間に合ったんですね!よかった」シホが歓喜の声を上げる。                「う…うん…」だが、大和は今それどころではなかった。実は大和は高所恐怖性でグリフォンに乗って来たときものすごく辛いめにあったのだ。そのため、今は本調子とはいえない。
「…少年。」
その時、エミリアが飛んでいるグリフォンから、下を見下ろしながら言った。
「状況はかなり悪いようだ。私はベリアルの相手をする。君は、あの槍の女とアーカート達を連れて、先に魔法陣に向かってくれないか」
大和も、一緒に下を見下ろしながら言った。
「………は、はい…」
返事をするのも一苦労である。

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