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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 222

「ちっ!なかなかやるじゃねぇか雌犬!!」  「そっちこそ口だけじゃないみたいね!」  モルティラニアが槍を振り回し、ベリアルがかわす。ベリアルが拳をふるえば、モルティラニアがかわすといった一進一退の攻防が繰り広げられていた。しかし、ベリアルはダメージを受けているとはいえ、体力があったためだんだんモルティラニアをおしはじめた。
ブンッ!!
ベリアルの拳がモルティラニアの体を押しつぶさんと迫った。
しかし、モルティラニアが、それをギリギリでかわし、すかさず反撃に出る。
ヒュンッ!!
モルティラニアの槍がベリアルを捉えた。
ビッ!!
刃先は、ベリアルの顔をかすめ、頬に血の糸が引かれた。
「チッ!ちょこまかと、ハエみたいに動きやがって!」
ベリアルが、思わずぼやいた。
ベリアルにとって、このモルティラニアの戦い方は、もっとも苦手なタイプだったのである。
ベリアルの戦い方は、力勝負である。その類い希なパワーで敵を攻め、倒す戦い方だ。基本と言えば基本、単純と言えば単純な戦い方である。ちょうどジェンも似たような戦い方だ。
対するモルティラニアは、カウンター系である。相手の攻撃を受け流し、隙を見て反撃する戦い方だ。
真っ向からパワーで攻めるベリアルにとっては、このパワーを受け流すモルティラニアの戦い方は、彼にとって、もっとも嫌いなタイプだった。
ドガンッ!!
またもや、ベリアルの拳が空を斬り、地面に大きな穴を空けた。
(…しまった!)
すかさずベリアルが、防御の体勢をとる。
しかし、モルティラニアは何も反撃してこなかった。
不思議に思い、ベリアルが彼女を見ると、モルティラニアは槍を杖代わりに、大きく息切れをしながら立っていた。
彼女の体力は既に限界だったのである。もはや、彼女には反撃に出る体力は残っていなかった。
先程の反撃が彼女に残された最後のチャンスだったのである。
そして、その事にベリアルが気づいた。
「ククククッ…ハハハハハッ!!」
いやらしい笑みを口元に浮かべたベリアルが、突然笑い始めた。目の前には、立っているのが精一杯のモルティラニアがいる。
「…牝犬。俺をここまで手こずらせるとは、思わなかったぜ。だが…」
言い終わるのと同時に、ベリアルが指をパチンと鳴らした。瞬間、先程ジェンを襲ったのと同じ土のナイフが数本、再び地面から現れ、ベリアルの周りをフワフワと飛び回った。

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