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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 213

何かキッカケがあったら、フリーザに向けて即発動するだろう。
「まぁいいでしょう。とりあえずお元気そうで何よりでした。では私はこれで……」
クルリとイリスに背を向け外に出ようとするフリーザ。その一挙一動をイリスはジッと警戒していた。
そしてフリーザが外に出た直後であった。
「あぁ……うっかり忘れてました…」
フリーザはイリスに背を向けたまま言った。
「どうか無様な死に方だけはしないでください…そう…」
彼女はその言葉を永遠に忘れることは出来なかった。
「……あなたをかばって死んだリスペクトのような無様な死だけはね……」
プツン……
イリスの中で何かが切れた。だが、おそらく本人は全く解らなかったに違いない。
気づいた時には炎の塊をフリーザに向けて放っていたからであった。
「貴様ーー!!」
イリスが無意識の内に放った憤怒の炎。その炎は途中にあるもの全てを燃やしながらフリーザに向かっていった。
だが迎え撃つフリーザは不敵な笑みを浮かべたまま、迫り来る炎を見つめていた。
そして、炎の塊がフリーザに喰らいついたその瞬間…
パン!!!
突然フリーザの体が風船のように弾け飛んだ。
「な!?」
「くくく……。イリス殿、あなたの魔力では、私には致命傷どころか、かすり傷1つつけることは出来ませんよ。」
突如、姿無きフリーザの声が屋敷中に響き渡った。とっさにイリスが魔力を使い周辺の気配を調べるが、フリーザの気配は微塵も感じることは出来なかった。
「貴様…どこだ!どこにいる!」
「イリス殿、今日のところはこれにて失礼させていただきますよ。また後日お会いしましょう。」
フリーザの声が、徐々にだが遠ざかっていく。
そしてフリーザの声が完全に聞こえなくなったと同時に、イリスは床へ倒れ込んでしまった。
「…はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
彼女は深く傷ついていた。肉体的なダメージより遙かに重く、肉眼で見ることも、確認することも出来ない傷。
彼女は心を傷つけられていた。しかも修復不能な程に。
『あなたを庇って死んだリスペクトのような無様な死………。』
フリーザが言った、その言葉だけが彼女の心を蝕んでいるのだった。



第二次ルカジマ攻防戦が始まって、既に一時間が経過した。

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