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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 212

ここまではっきり言われると何も言い返せない。しばらく黙っていると、エミリアが笑顔で言った。
「それより、もっと早いやり方がある。少なくとも君のやり方よりはね」




ガチャ……
大和とエミリアが屋敷を出てから数分後、突然入り口のノブが動いた。
「誰だ!!」
屋敷の中で周囲を警戒していたイリスが声を張り上げる。
彼女は2人が屋敷を出た直後から、自分の転移呪文を妨害した者を突き止めようと試みていた。
しかし、どれだけ魔力を使って探索しても解らず、水晶玉で見ても決して映ることはなかったのである。
探索を諦めかけたその時、突然ドアが開いたのである。
キィーー……
ドアが少しずつ開いていく。それに合わせるかのようにイリスは杖を持つ握力を強めていった。
そしてドアが完全に開いた。それと同時にイリスの表情は険悪になった。
イリスの視線はドアの前に立っていた青い洋装の男に注がれていた。
「……貴様ぁ…」
「お久しぶりですな。…イリス殿。」
イリスに向かって頭を男が頭を下げる。
「700年ぶりですか、こうして再会するのは…」
「ふざけるな!この売国奴が!」
イリスが怒鳴った。その表情は、いつもの優しい表情とは正反対の厳しい表情となっている。
「売国奴ですか…。まぁ、間違いではないですがね…」
しかし洋装の男は口元に不敵な笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「しかし、私に使うのは適切ではありませんよ、イリス殿。何しろあの国は私が建国したのですから。建国した私がどうしようと、私の勝手だと思いますがね…」
「ふざけるな!そのために罪も無い人達を巻き添えにするのか、貴様は!」
「いいではありませんか、他人の命など。所詮、命などもろく儚いものですよ。」
「…儚いか。…皇帝…貴様からそのような言葉を聞くとは思わなかったよ。」
「イリス殿、皇帝は止めてください。今の私は魔王軍、八星将軍のフリーザです。」
「本来の名も捨てたのか、貴様は!」
イリスは杖の先端をフリーザに向けると「言え、私の所に何をしにきた?まさか、転移呪文の妨害だけとでも言うまいな?」
と言った。声が低い。怒りの響きがこもっている。
「あなたの様子を見に来たのですよ。相も変わらずお変わりないようで何よりです。」
「茶化すのも大概にしろ…私の命か?」
「ふぅ…何を仰る。緑の王の妹殿を私が殺すわけ…」
「ソーニャの事は言うな!」
突然イリスが怒鳴り声をあげた。その様子を見て、フリーザもニヤニヤ笑いながら言葉を続ける。
「ソーニャなどと、姉上の事を呼び捨てにしてはいけませんよ、イリス殿」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ……!!」
同じ言葉を何回も繰り返すイリス。既に彼女が持つ杖には大量の魔力が集中していた。

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