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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 210

「だ、だけど…戦闘が始まってるのに、今から走ってルカジマに行くんですか?」
大和の危惧はそこにあった。ルカジマを出発して、ほぼ2日間かけ、イリスの所までたどり着いたのである。帰りは下山となるため、時間は短縮されるだろうが、それでも大した差ではない。
(僕達がルカジマに着く頃には全滅してるのではないか……)
大和はそれだけが気掛かりだった。レイ・ジェン・かすみ・セリス…そして多くの仲間達の顔が走馬灯のように次々と浮かび上がる。
「走って間に合うんですか?」
「大丈夫だ。私に任せろ。それより走ることに集中するんだ。」
息一つ切らすことなく質問に答えるエミリア。
「エミリアさんは転移呪文は使えないんですか?」
「残念だが私は使えない。転移呪文は魔法レベルで言うと最高位の賢者レベルだからな。私も実際に見たのは昨日が初めてだった。」
「転移呪文ってそんなに難しいんですか?」
「あぁ…知識や魔力の足りない者が転移呪文を使うと、とんでもない場所に飛ばされてしまうからな。覚えるだけなら難しい事はないのだが…」
話している間も2人は、この幻想的な森の中を全力で走り続けていた。
実際は全力で走っているのは大和だけで、エミリアは彼のスピードに合わせるため、かなり余力を残しながら走っていたが。
そして2人が森の中を走っていると、
「もうそろそろ出口だな。少年よ、あまり驚くなよ。」とエミリアがニヤリと笑いながら大和に言った。
「……どういう意味ですか?」
言っている意味が、よくわからなかった大和がエミリアに尋ねたその瞬間、
グニャ!
突然目の前の光景が歪み始めた。
木が歪み、空も歪み、横にいたエミリアもグニャグニャに歪み始めた。
「うわっ!?」
突然の異様な光景に、とっさに大和は目をつぶった。
そして数秒後恐る恐る目を開けると…
「あれ?」
信じられないことに今まで走っていた森の景色が一変し、森どころか木が一本もない山の中に放り込まれていた。
「今のは…一体?」「後で説明してやる。それよりルカジマが心配だ。」

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