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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 200

その頃になってようやく将棋倒し状態を脱した表口集団が店を通り抜け、モルティラニアを追って来た。
彼女はくるりと反転して走り出す。男達がその後に続くが、ミキはその中にいなかった。役立たずの恋人をどやしつける方を優先したからだ。
その気になれば振り切るのは簡単だったが、モルティラニアは相手に合わせたスピードを維持した。脚力の違いから集団はあっという間に前後にばらける。頃合を見て彼女はわざと先頭の男に追いつかせた。
襲い掛かって来る男を振り向きざまに槍で殴り倒し、また走り出す。
しばらくするとまたスピードを緩め、追いついてきた男を殴り倒す。これが延々と繰り返された。
一人また一人と倒された男達がルカジマの道路に散乱する。
町中を走りながら十数人を倒したとき、モルティラニアはもう誰も追って来ないことに気付いた。残った男達の息が切れたのか、はたまた戦意が尽きたのかは分からない。
「ちょっと遊び過ぎちゃったかな〜?こんな連中より早くタチバナ ヤマトを探さないと」
そう言って彼女は何事もなかったかのように大和に関する聞き込みを再開した。
しかしルカジマに住む人々の大半が今の集団マラソンを目撃していたのは言うまでもない。何しろ目立つ格好の上に二十人からの不良集団を従えて走り回ったのだから宣伝効果抜群だった。
 
「タチバナ ヤマト?そいつはギルダーを討った勇者だよ。まだ少年だってのに、魔法剣まで持っているという話だ。しっかしお嬢さんも惜しいことをしたねえ・・・・・。あのごろつきどもなら、賞金かかってるから殺して持って行ってもよかったんだぜ?で、その肝心のタチバナ ヤマトだけど、リスペクト魔法学院に入学したらしいよ。この街の出身じゃないようだし、おおかた寮生活してるんじゃないかな?」
疎開準備に、店の品物を纏めていた商人の言葉である。
「ところで、儂らはライールヴィルに店を移すつもりなんだが、良ければ守衛兼受付としてうちで働かないかね?あんたみたいな強くて可愛いお嬢さんなら、どっちにも役立ちそうだ。」
「教えてくれてありがとう。それと悪いけど、私もしたいことがあるから、そのお誘いは気持ちだけ。」
「そうかい。じゃ縁があればまた会おうや。」
そして、モルティラニアは彼の元を離れた。

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