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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 199

「死ねぇーー!」
他にレパートリーがないのか前の男と全く同じ台詞を吐き、ゴーシュはモルティラニアに襲いかかった。
右足を大きく踏み込んで棍棒を彼女の頭に振り下ろそうとする。
モルティラニアは左前方に小さく飛んで攻撃をかわした。続いて右の回し蹴りをゴーシュの腹に叩き込む。
「ぐはあっ!」
胃の中身を吐き散らしながらゴーシュが膝を突く。一撃で彼の戦闘力は十分に奪われたが、彼女はさらにダメ押しした。左の回し蹴りでゴーシュの頭を蹴り飛ばす。
「がっ!」
短く悲鳴を上げて彼は床にうつぶせに倒れた。
完全に失神している。あっけない幕切れだった。
自分達のヘッドの勝利を全く疑っていなかったブラックムーンのメンバー達は、しばらく信じられないといった様子で茫然としていた。
だが少し経つと気色ばんでモルティラニアに怒りをぶつけ始めた。
「やりやがったなこのアマ!」
「よくもゴーシュさんを!」
「ぶっ殺してやる!」
もっとも、率先して店の中に踏み込もうとする者は現れなかった。
踏み込んでモルティラニアに立ち向かった者から順にやられるのは目に見えているからである。
仮に最終的に勝ったとしても、最初の方に戦った者はまず助からないだろう。しばらくためらっていた彼らだったが、
「何女一人にビビッてんのよあんた達!それでも男なの!?ヘッドの仇討ちなさいよ!」
と煽る者がいた。もちろんミキである。
「あ、ああ…行くぞ!」
「「お、おう!!」」
ミキの声に弾かれたように男達は店内に駆け込んだ。それを見たモルティラニアは手近にあった椅子を手に取ると先頭の男の足元に投げ付けた。
「ああっ!」
先頭の男が足を取られてつまずく。
その体に後続の男達がさらにつまずき、あたかも将棋倒しのような事態になる。
これで男達が剣を抜き切っていたら大惨事だったが、幸いまだ誰も抜剣していなかった。
モルティラニアが裏口を見るとそこにいた男達は店内に入らず立ったままだった。
(さて、腹ごなしの運動でもしようかな。今の四人じゃ体操にもならないわ)
テーブル近くの壁に立てかけたままだった槍を手に取り、裏口に突進した。ただし穂先を後ろに向けてである。
男達は剣を抜き、あるいは棍棒を振り上げて彼女を阻止しようとした。
モルティラニアは槍の石突(穂先とは反対側の端)で男の一人の鳩尾を突いた。たちまち男が崩れ落ちる。ひるんだ他の男達が一歩下がるのを見た彼女は近くのテーブルの上にあった塩の小瓶を裏口から外に放った。すかさず石突を使って空中で突き割る。
裏口の外にいた男達は飛び散る破片と塩に目をやられまいと思わず顔を背けた。
その隙を突いてモルティラニアは店の外に駆け出した。少し離れた所で立ち止まり、男達が追ってくるのを待ってやる。
「逃げたぞ!」
「追え!逃がすんじゃねえ!」

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