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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 198

眉間に皿の直撃を受けた男が「ぎゃっ」と短い悲鳴を上げて昏倒した。
「まあ、事情はさっぱりだけど、人の首切ろうとしたんだから多少怪我しても文句言えないわよね?」
彼女の右手には男の持っていた剣が残されている。
「ふざけやがってこのアマ!」
残った二人が改めて剣を抜きモルティラニアに斬りかかろうとする。彼女は剣の刃をつまんだまま振り回し、その鍔を自分の右後ろに立っている男の鼻面にぶち当てた。
「ぐがっ!」
さらに左を向きながら左後ろに立っている男の額を同じく鍔で一撃する。
「ぎえっ!」
二人は剣を抜きかけたまま床に倒れて動かなくなった。この間モルティラニアは椅子に座ったままである。彼女はテーブルに向き直ると昼食の最後の一口を悠々と口に運んだ。

店の外で様子を伺っていた男達は、それを見て激高した。
「ヘッド!やっちゃいましょう!」
「ふざけた真似しやがって!」
口々に勇ましいことを並べ立てて煽る。モルティラニアはナプキンで口を拭いながらそれを聞いていた。
(あの人数で店に踏み込まれると他の客が巻き込まれたりしてあとがちょっと面倒ね…ちょっとリーダーを挑発してみようかな)
彼女は椅子を立った。昼食の代金をテーブルに置いていつでも店を出られるようにすると、戸口の方を向いてリーダーと思われる男に声を掛ける。
「そこのデカイの。あんたがゴーシュ?そんなところに突っ立ってないで入って来たら?それとも一人じゃ恐い?」
「何だとてめえ!今行ってやる!」
ゴーシュは実に易々とモルティラニアの挑発に乗った。さすがは面子命の男である。
(全く単細胞だわね。おかげでこっちは助かるけど)
店に踏み込んだゴーシュはモルティラニアを睨み付けた。
その右手には巨大な棍棒がかざされている。
「ミキが世話になったそうじゃねえか」
倒された手下の三人は特にどうでもいいらしい。
「そうよ!その女私のこと馬鹿にしたの!ボコボコにしてやって!」
店の外からミキが叫んだ。モルティラニアはその女性に見覚えがあるような気がしたが、よくは思い出せない。
「ああ!すぐにカタを付けてやる!他の奴は手を出すんじゃねえぞ!」
誰も手を貸すと言っていないのにそう言うと、ゴーシュはモルティラニアに向き直った。それを見ていた店員が勇気を振り絞って声を掛ける。
「あの、うちの店でこれ以上の揉め事は・・・」
「うるせえ!すっこんでろ!!」
「ひ……」
しかしゴーシュの一喝で引き下がった。モルティラニアはだるそうに、
「ねえ。やるなら早くしてくんない?」
とのたまった。
「ああ、やってやる!その槍を構えろ!」
「いらないわよ。あんたに槍なんて」
「何だと!?なめやがって!」
ゴーシュは激怒したが、モルティラニアは素手で戦う気でいた。この相手ならそれで十分と思ったのと、3メートルを越える槍は狭い店内で振り回すのに向かないのとで。何かに当たって壊したら面倒だ。

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