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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 181

「き、急に何を言い出すんですか?い、意味が分かりませんよ。イリス様。」
大和は出来るだけ平常心を保とうとした。
だが、イリスの漆黒の瞳は大和の瞳を睨んだまま逸らそうとしない。
「とぼけても無駄だ。800年生きてきた儂からしたら、15歳の心など赤子同然。正直に吐いた方が、お前の身のためじゃぞ。」
イリスがゆっくりと目を閉じる。その瞬間、彼女の全身から、凍りつくような殺気がほとばしった。
「うわぁ!?」
その殺気に驚いた大和は、無様にも尻餅をついてしまった。
起き上がろうにも、手も足もガタガタ震えて立つことさえ出来ない。
人間の身体機能を麻痺させ、この世の全てを凍り付かせるような圧倒的殺気。
この感覚に大和は覚えがあった。
(この感覚…八星将軍のフリーザと同じだ)
大和の脳裏に鮮明に蘇る戦慄の恐怖。
あの冷酷な眼差し、自分の部下を無慈悲に処刑した時のあの冷たい微笑、手も足も出なかったあの圧倒的力の差。
あの時の恐怖が大和を完全に支配してしまった。
(……ダメだ、体が動かない)
大和が恐怖でピクリとも動けないでいると、イリスが目を閉じたまま一歩ずつ近づいてきた。
「どうした?言っておくが、私はまだ半分も力を出していないぞ」
話しながらイリスは一歩一歩近づいてくる。
「この程度で腰を抜かしてもらっては困るな。現在ルカジマに進軍中の魔王軍に従軍している八星将軍セフィリアとフリーザの実力は私より上だぞ。」
話している内にイリスが大和の前にたどり着いた。
ちょうど尻餅をついている大和の目の前にイリスの爆乳がゆさゆさ揺れる形となっている。
いつもの大和なら勃起間違いなしの光景だが、今はそんな余裕はない。
「あの伝説の王がこの程度の殺気で腰を抜かしていたら、世界を救うどころか…」
イリスがしゃがみこんで、大和の顔をのぞき込む。
「ルカジマさえ守れやしないぞ。」
ゾッとするほど冷たい声で呟いた。
大和がゴクリと唾を飲み込む。
尻餅をついた大和と、しゃがみこんで顔をのぞき込むイリス。
その状態が5分ほど続いた。
大和は相変わらず尻餅をついたままだし、イリスも殺気を抑えようとしない。
ところが、突如イリスが微笑んだかと思うと、彼女の体から殺気がフッと消えた。
「だが、君はまだまだ強くなれる。」
そう言うと、イリスは大和から離れ、側にあった椅子に座った。
大和もイリスの殺気がなくなったことにより、ようやく動けるようになった。
「ふぅ……」
体が自由になり、とりあえず一安心する大和。
ところが、そんな大和にイリスは
「あぁ、それから大和よ。これだけは言っておくが、私は伝説の王など信じていないからな」
と、あたかも今思い出したかのように、平然と言い放った。

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