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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 175

その泣き声に気づいた大和達4人が、喧嘩を一時止め、かすみに近寄った。
「どうしたの、かすみ?」
「あ、大和様。実は…」
とりあえず、ガルドから話を聞いてみる大和達。しかし事情を聞いても大和達には、何て言えば解らなかった。
とりあえずジェンがなぐさめる。
「なぁ、かすみ。元気だせよ。シュウが裏切った理由なんて本人から聞けばいいじゃんか。」
「そ、そうですよ。かすみさん」
それにシホが続く。
「私は皆さんと違ってシュウって人を見たことありませんが、きっと素敵な人なんでしょうね。」
全然、慰めになっていないシホの後に大和が続いた。
「僕には、何で君のお兄さんが風魔を裏切ったのか、なんて解らない。だけど、単純な理由じゃないと思うんだ。だだ強力な力が欲しいからとか、そんな理由じゃなくて、もっと複雑な理由なんじゃないかな?」
「その理由ってなんですか?」
セリスが聞いてきた。
「それは本人にしか解らないよ。でも、それをシュウから聞くのは…」
大和がかすみの目を真っ直ぐに見ながら言い放った。
「それを聞けるのは、かすみ。この世界で君だけだと思う。」
「大和……」
かすみが瞳を潤ませながら大和をジッと見つめた。
「そうだな、お前の言うとおりだ。こんなところで泣いていても、何も始まらない。それより今は、自分達が出来ることをしなければならないのだからな。」
かすみは涙を拭うと、スッと立ち上がった。
「よし行こう!ぐずぐずしてる暇は、私達にはないからな。」
「そうですね。イリス様の住処まで、あともう少しですし。早く出発しましょう、皆さん。」
元気を取り戻したかすみに同調するセリス。
「イリス様の所まであと少し。皆さん、もう少しの辛抱ですよ。」
「大和、イリスとかいう魔女の住処まで、あとどのくらいあるんだ?」
「ちょっと待ってね。えーと…」
かすみに聞かれて、すかさず地図を見る大和。
「えーと…今は、たぶんここだから…イリス様の所までは…あと3時間ぐらいかな。」
かすみが腕を組んで、考える。
「3時間か…ならば急がなければならないな。みんな早く準備して行くぞ!ジェンも、シホも、大和とセリスの事は後でジックリ問いただせばいいだろ。サッサと準備しろ!」
言われて、顔を膨らませるセリスとシホ。
しかし、時間がないのも事実である。一応2人とも、それ位の事は分かっている。
2人は、大和とセリスをじーっと横目で睨みながら出発の準備を整えるのであった。


再び、登山を再開した大和達。
しかし、登れど登れどイリスの住処さりき物は影も形も見えない。見えるのは、きれいな景色と岩ばかりである。
既に約3時間が経過、空も真っ暗で、月や星が出ている。
「大和、魔女の住処などどこにも見当たらないぞ!その地図は本当に合っているのか!」

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