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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 174

「あ、王様がセリスを泣かした。」
「ち、違うよ。だって本当の事を言っただけなのにセリスが勝手に泣いただけだよ」
「女の子を泣かすのは最低ですよ、大和様。」
「だから、僕のせいじゃないよ。」
「うぇーん、ここに来る前に『みんなが寝たら、2人っきりで愛し合おうね。』って言ってくれたのにー。その言葉を信じて抱かれたのにー。」
「言ってない!」
「セリス。それ、本当か?」
「本当なの?セリスさん」
セリスがこくんと頷く。
「セリス、冗談はよしてよ。」
「大和君、私に百回も膣出ししたんだよ。」
「そんなにしてない!」
「へぇー…百回もしたんだ…」
「まぁすごい。もし今日が危険日なら、セリスさん間違いなく妊娠ね。」
「2人共、信じないでよ!」
…………………


その頃、すっかり出発の準備を整えたかすみとガルドは、あくびをしながら4人の痴話喧嘩を眺めていた。
「何やってんだか…」かすみが呆れた表情で呟く。
「大和様も大変ですわねぇ」微笑みながらガルドも呟く。
空を見ると、晴れた青い空に少しだけ赤みがかかっている。「もうこんな時間か…。」
「そうですね。刻一刻と、魔王軍はルカジマに近づいている。」
ガルドが深刻な表情で言った。
かすみが黙って頷く。
魔王軍にはかすみの兄であり、一族の裏切り者、シュウがいる。
(シュウは、私のこの手で必ず!)
かすみの体がかすみ自身でも気付かずにぶるぶると武者震いをしていた。
かすみの闘志は、はちきれんばかりにみなぎっている。
だが、そんな闘志みなぎるかすみにも1つ、どうしても解らない事があった。
「なぁ…ガルド」
不意にかすみがガルドに話しかけた。
「魔法剣のお前に、こんなことを聞くのは変だと自分でも思う。けど、どうしても誰かに言いたかったんだ…。なぁ、なんでシュウ…兄者は風魔…私達を裏切ったんだろう?」
この問いかけに、ガルドは、聞くことしかできなかった。
「兄者は歴代風魔の中でも最強と噂されていた。何をやっても、どんな忍術を学んでも全て一流で、そのうえ仲間からの人望も厚い。そんな兄者が私の誇りでもあり、目標でもあった。」
かすみの声は、時間が経つにつれ、涙声になっていた。
「その兄者が、ある日突然変わった。仲間共距離を置くようになり、頭でもある祖父虚空の命令にも逆らうようになり……そして数年前、数人の同朋達をつれ、里を捨てた。私がまだ8歳の時だった。」
ガルドは、何て言えばいいか解らなかった。
「何で?あんなに忠誠心の厚く、優しかった兄者が、どうして裏切ったの?どうして、頭を殺そうとしたの?どうして、ソフィーさんを暗殺したの?」
泣きじゃくる子供のようにかすみが泣いた。

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