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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 151

「その伝説が問題なのじゃ!!」
突然少女が女を睨みながら言った。
「私も数々の伝説は数え切れないほど知っている。だが、ラウが予言した伝説の王ほどあてにならない伝説はない!第一、ラウにそのような予言能力は無かったはずじゃ!」
「予言能力が…無い…」
女が信じられないといった表情でボソッと言った。
少女は険しい表情のまま、水晶玉にうつっている少年をジッと見つめていた。そして…
「……まぁいい。ここにくれば解ることだ。この小屋にたどり着くのにどの位かかるかな?エミリア…」
少女がエミリアを見ながら聞いた。
「半日はかかるかと思いますが…」
「半日か…では私はしばらくの間、眠ろう。それと、小僧とは私一人で会ってみる。お主は例の部屋で隠れておれ…」
少女はそれだけ言うと、椅子に座ったままの状態でスゥスゥと眠り始めた。
エミリアも隠し部屋に行こうと席を立つ。
彼女達の目の前の水晶玉の中では伝説の王である少年の山登りに悪戦苦闘している顔が映っていた。


一方、リドの町。
この町は既に魔王軍の手に落ちており、兵士達が駐屯していた。
そのリドの町の長老が住んでいたであろう、他と比べて少し大きい家。
その家の居間では魔王軍の幹部達による会議が開かれていた。
が、聞こえるのはほとんどが怒鳴り声である。
「どういうことだ!それは!」
また、怒鳴り声が家中…いや町中に響きわたった。
怒鳴っているのは魔王軍総大将のデュラン。
一方その怒鳴り声の矛先は、魔王軍 八星将軍が長セフィリア。
が、彼女はデュランの怒鳴り声を聞いてもピクリとも反応しない。むしろ同じ部屋にいる彼の部下達の方がビクビクしている始末である。
「もう一度尋ねる、セフィリア殿。何故死体が一つもない?」
デュランが子供なら見ただけでショック死してしまいそうな目つきで尋ねた。
しかし、相変わらずセフィリアは至極冷静である。淡々とした口調で答えた。
「ですから、私が来たときには既に逃げ出した後だったのです。おそらく、私達の第二次ルカジマ侵攻が噂で広まったんじゃないかと思いますが」
実際は彼女が部下に命じて密かに教えていたのだが、それを言うわけにはいかない。
本当のところ、彼女はこのルカジマ侵攻には最初から反対だったのである。
そもそもこのルカジマ侵攻作戦は、デュランとサルマンのクーデターに賛同しなかったソフィーに対する報復措置としてとられたものであった。三大将軍ティナの確保は単なるルカジマ侵攻の口実に過ぎなかったのである。
デュランは腹心であるギルダーにルカジマ討伐を命じた。
そしてその時に八星将軍に与えられた任務がソフィー暗殺であり、それは見事に成功を収めた。
が、肝心の総大将ギルダーは敗北。
それが結果的にデュランの逆鱗にふれ、今回、兵2000のルカジマを潰すために10万の軍勢を総動員する羽目になったのであった。

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