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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 143

「篭絡しろというんですか?そんな無茶苦茶な・・。」
「敵のやることに比べればはるかに穏当だよ。人を殺すより、人を生むほうがよほどよい。そして・・・」
そこでアーカートは言葉を切った。
「あの事件がイリス様の手によるものでないなら、通常の説得によることになる。そちらも頼むよ。」
睨み据えるような強い視線で、アーカートとティナが見ている。
「・・・・。わかりました。やってみます。」
この2人に見据えられると、頷くしかない。何よりも、現状ではイリスの助力を頼む以外に方法がないのである。
それを聞いたアーカートとティナがホッと胸をなで下ろした。
「大和君。ならば、至急ミンク山脈に向かってくれ。それと……」
アーカートは席を立つと本棚から地図を取り出し、机に広げ始めた。
「これはミンク山脈付近の地図だ。母上が残した書物によると、イリス様はここ…」
アーカートが地図の一部を指し示した。
見ると、標高3,000メートルほどあるミンク山脈の最高峰ミカヅキ山の中腹、2,000メートル辺りに、印が付けられていた。
「この場所に住んでいるらしい。もっとも、20年前に母上がお会いした時の記録だから、どこまで正しいかは分からないがな…。」
言い終わると、アーカートは、机の引き出しから手紙を取り出すと、地図と一緒に、大和に手渡した。
「この手紙はイリス様宛に書いた、私の直筆の手紙だ。イリス様にお会いしたら渡してくれ。」
大和はそれを受け取る。
が、受け取った大和に、また疑問が浮かんだ。
「はい。分かりました。けど、直接渡すにしても、イリス様って一体どんな姿なんですか?」
「ふむ…。それが……母上が残した書物によると、最初は戸惑ったらしい。が、よくよく考えると、とても仙人らしい姿をしていたとか…。」
アーカートも、よく意味が分からないと言った感じで答えた。
(最初は戸惑ったけど、後に納得したって、どういうこと…?)
大和には訳が分からない。
「まぁ、会ってみれば分かることだ。ここで考えていても、らちがあかない」
ティナが大和に言った。
「ティナの言う通りだ。どんな姿か?なんて疑問は、会ってみれば分かる。それより今は…」
と、アーカートに言われ、大和もルカジマを取り巻く現在の状況を思い出す。
「そうですね。今は時間がありません。一刻も早く、イリス様の所に行ってきます。」
「うむ。頼んだぞ。」
「はい!」
大和は一礼すると、2人に見送られながら、部屋を後にした。



「と、言う訳なんだ。」

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