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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 140

どうするも何も取るべき道は一つしかない。
「……撤退だ。ルカジマを捨てる」
アーカートがはっきりと言った。だがその表情は暗い。
無理もない。自分の母が命がけで守った町を捨てるのだから仕方がないかもしれない。
しかし現実は残酷である。こうしてる今も魔王軍が進軍してくる。
「で、退路はどうする?」
ティナが言った。もともと、この2人は来たるべき魔王軍侵攻の時の作戦を話していたのである。
ところが話の途中で兵士が魔王軍侵攻の知らせを持ってきたのである。しかも2人が予想していた状況よりはるかに悪い。
「1つ目はミンク山脈越え。2つ目は…」
「ああ。この学校の裏にある巨大魔法陣。生前、母が用意した物だ。」
巨大魔法陣とは円の形をしており半径百メートルの緊急避難用に用意された魔法陣である。
「それを使えば、ここから遠く離れた村バチスタにワープ出来る。一回限りの魔法陣だから奴らが追ってくることもない。」
「確かに。だがアーカート。問題は…」「わかってる。魔法陣を作動させる魔力が足りない。」
ソフィーが用意していた魔法陣は巨大が故に使用する魔力も並みではない。
「私と君の魔力を合わせても5分の1にも満たない。無論全学生の魔力を合わせても同じ事だ。」
「くっ!ソフィー様が生きていれば…」その後、2人は少しの間黙り込んでしまった。それから5分後…
「こうなったら…どうなるか分からないが…イリス様に頼んでみよう。」
アーカートが言った。
「イリス様なら協力してくれるかもしれない。もしかしたらだが…」
「イリス様とは、ミンク山脈に住む仙人のことか?」


ミンク山脈に潜む仙人イリス。
ルカジマの校長を務めたこともあり、噂によると千年近く生きているとか、目が四つあるとか、口が耳まで裂けているとか、手が8本ついているとか怪しい噂ばかり広まっている仙人である。
が、その魔力は絶大でその気になれば世界を崩壊させるほどの力を秘めているらしい。



「イリス様に頼むのはいい考えだと思う。まだミンク山脈に潜んでいるらしいしな。」
「では、早速私が直接…」
「いや、お前はだめだ。仮にも総大将だぞ。いつ敵が攻めてくるか分からないのに総大将がいなくてどうする?」
ティナがアーカートをたしなめる。
「では、君か?」
「私も無理だ。やることがあるのでな。」
「では誰が……まさか!」
アーカートが思い当たった少年を思い浮かべる。
実はティナも同じ顔を思い浮かべていた。
「大和なら出来ると思う。これは私の考えだが…」
「確かに彼なら…だけど大丈夫か?魔王軍到着まであと3日だぞ。」
「やらせるしかないと思う。手が空いててかつ優秀な戦士は彼しかいない」

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