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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 139

次の瞬間、フィガロに降っていた雨だけが、突然鉄のように堅くなり、一斉にフィガロの村に降り注いだ。
鉄の弾丸となった雨が次々と村を崩壊させていく。
その光景を薄笑いを浮かべながら男は眺めていた。
やがて、村が跡形もなく消え去ったと同時に雨もピタッと止んだ。
男の周りには、もはやなにもない。
「さて、行きますか…。」
男はそう言うと夜の道をルカジマに向かって歩き始めたのであった。



フィガロ崩壊から約1時間後…
セフィリアはリドと呼ばれる村に1人で立っていた。
この村もやはり人影が全くない。
「どうやら間に合ったみたいね。」
セフィリアがホッと安堵した。


話は夕方に戻る。
リドの村は、夕暮れ時とあって民家からでる美味しそうな匂いが村を支配していた。
そんな時である。リドの村長の家に突然矢文が送られてきたのである。
村長が手紙を読むとそこには…
[これより数刻後、貴殿の村を襲撃する。が、我らは無益な殺戮はしたくない。死にたくなければ村を捨て、ルカジマに逃げ込め。 魔王軍司令官セフィリア]と書いてあった。村長が驚愕したのは言うまでもない。
手紙の内容は、即刻村中に伝えられ、1時間後には村人達は全員村を退去していたのである。


「セフィリア様。」ふと声がした方を振り向くと、そこには側近のアリスがひざまづいていた。
「2人は?」
「ベリアル様がナルシェを、フリーザ様がフィガロを、それぞれ制圧したそうです。」
「分かりました。デュラン殿は?」
「リドの北、20キロの地点を南下中です。」
「分かりました」
「では私はこれで!」
と言った瞬間アリスが姿を消した。
1人残されたセフィリアは目を閉じて跪き、死んだ村人達の冥福を祈り始めるのであった。
(どうか安らかに…)



明朝 ルカジマ
「そんなバカな!」知らせを受けたアーカートが学園長室で珍しく取り乱した。側にいるティナも動揺を隠せない。
「間違いないのか?」
アーカートがその知らせを持ってきた兵士に問いただす。
が、兵士は同じ事を繰り返し喋るだけである。
「間違いありません。北、東、西より魔王軍侵攻!その数、およそ50万!」
魔王軍50万。
ルカジマの兵士は約2000。
こちらの250倍である。これでは戦いにならない。
が、2人をさらに驚愕させたのが次の知らせである。
「さらに魔王軍に八星将軍も従軍。詳細は不明ですが、1人はセフィリア…」
その名を聞いた瞬間2人の思考は一瞬完全に停止した。
「あの…セフィリアが…」
「全能の王が…来る…」


魔王軍八星将軍セフィリア。
魔王軍最強の8人、八星将軍の長でもあり、魔王ハデスが最も信頼する女でもある。
軍事、政治にも卓越した才能を持ち、また剣を振るえば天下無双。かの四天王でさえセフィリアとの一騎打ちは避けたとまで言われている。

「どうする?アーカート」
ティナがアーカートに尋ねた。

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