PiPi's World 投稿小説

気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 129
 131
の最後へ

気弱な少年とセクシーな仲間達 131

「・・・・・・。」
「僕が前にいた学校ではいつもいじめられていて、僕は慰み者だという空気が学校全体にはびこってた。あそこにいた連中でいい奴は死んだ奴だけだよ。他はいじめてくる奴か、遠巻きに傍観している奴か、いじめる奴に屈してその味方をする奴のどれかだった。」
そう語る大和の顔は、うってかわって憎憎しげだった。
「・・・・・・。」
ガルドは何も言わずに話を聞いている。
「さて、診察の前に一度部屋に戻ろう。レイが待ってるからね。」
「はい。」
部屋に戻ると、レイはベッドに腰掛け、本を読んでいた。
「ただいま。気持ち悪くなかった?何を読んでるの?」
「今日は調子がいいんですよ。今の本は『妹を尋ねて8千里』です。王もどうですか?」
レイはルカジマを目前にした辺りからつわりを感じていたが、幸い軽いものだったこともあり、内臓破裂等で後で急死するような事態を避けるために学校の医療部門が行っていた検査で妊娠が発覚するまでは隠していたのだ。
「冒険物?」
「ええ。現在刊行中の作品で今のところ4巻まで出ているようです。こちらが1巻と2巻ですよ。」
明るく会話する2人だが、ガルドが割り込んだ。
「大和様、じきに診察の時間です。ご用意ください。」
「すみません、私ったら・・。」
「そうだったね。ごめんごめん。」
教科書などの荷物を置き、支度する。
「では、先に食べて来ますね。」
「うん。行って来るよ。」
レイは軽いとは言えつわりがあるので、食べ易い時に食べるようにしていた。
2人とも部屋を出て、大和は病院へ、レイは食堂へ。
病院へ入ると、多くの入院者がおり、仕事に走り回る医者や看護婦、見舞いの家族などが動き回っていた。
先日の戦いでの負傷者が多く入院しているのだ。
少し待たされた後、診察室へ入ると、そこにはハウプトマン医師−−彼が負傷した時診察し、レイの妊娠も告げた長身痩躯のあの男だ−−と、シホがいた。
「よろしくお願いします。それにシホさんも。いいんですか?」
「今日はティナ将軍の治療が少し早かったのよ。」
そう言ってシホは微笑んだ。
そして診察。
「なるほど。順調に回復しているよ。でも無理はしないようにね。」
ハウプトマンの手により魔法コーティングが傷口から剥がされ、薬を塗られ、シホの治癒魔法を受けた。
その上に、ハウプトマンがもう一度魔法コーティングを施す。
従前と同じ、保護魔法による保護膜で火傷箇所が覆われた。
「違和感が少なくなった気がします。」
「そうですよ。私が治癒魔法をかけたんだから。」
シホが楽しそうに応じた。
「これなら予定より早く治るかもしれない。がんばるんだよ。」
「はい。」
そして大和は医者の元を離れた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す