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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 128

心配のあまり苛立った口調で答える。
「警察の方が来て、貴方にも話を聞きたいって。渚、毒を盛られたみたいなのよ。」
「ええっ!?」
すぐに大和は母に連れ戻された。その途中聞いた話では、
「一昨日贈られて来たお菓子があったでしょう。渚の症状がおかしいからお医者さんが警察に連絡したの。渚が倒れる前に食べていた痕跡があったから、いま警察が調べてるわ。」
そんな・・・毒??・・・
一体だれが?
大和は頭の中が真っ白になった。
「大和…。こんなことを聞くのもなんだけど…犯人に心当たりない?」
母が大和に尋ねる。(犯人か……。)
大和は必死に犯人を思い浮かべてみた。が、いくら考えてもこんなことをする人物は思い浮かばない。
(……………。)
長い沈黙が親子を支配する。



「ごめん。思い浮かばないや。」
大和がボソッと呟いた。
「いくらなんでも毒を盛る奴なんて僕の周りにはいないよ」大和は確かに学校でいじめられていたが、それなりに友人もいたし何よりも毒を使うほど度が過ぎている奴はいなかった。
「そう……。」
母はそれを聞くなり黙ってしまった。
再び沈黙が2人を支配するのであった。


警察についてからも聞かれることは、母に聞かれたのとほぼ同じであった。
「犯人に心当たりはないか?」といった類である。
大和は一言一言丁寧に言った。
「僕には心当たりはありません。」
「お姉ちゃんは人に恨まれるような事はしていません」
大和は繰り返し説明した。



そうして、やっと2人の取り調べが終わり解放された時には既に辺りは暗くなりかけていた。
今、大和は1人で病院に向かって歩いていた。
母は着替えなどを用意するために一度家に戻ったのである。病院に向かう間、大和の心中は複雑であった。
大好きだった姉。
誰よりも優しかった姉。
しかしその姉の命が誰かに奪われようとしている。

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