やがて、葬儀を終えてレイ達が戻ってきた。マルティールもいる。
「おかえり。どうだった？」
「ひどいもんだぜ。畜生、シュウといいリクゥといいリョフといい・・・次に会ったらぶち倒してやる。」
「最終的に戦死者は181名、負傷者は501名でした。」
「そうか・・・・酷いものだね。明日の葬儀には、僕も出る。」
「それがよろしいかと思います。ソフィーさまも、きっと天国で喜んでくれるでしょう。ところで…」
マルティールが大和に近寄り小声で話し始めた。
「ティナ様とアーカート様が大和様に聞きたいことがあると申しておりました。後でアーカート様のお部屋に来ていただくようお願いします。」
「僕に？話って何？」
「さぁ…私には分かりません。とにかくお願いします。」
マルティールが頭を下げる。こうまでされては大和も断る訳にはいかない。
「うん。分かった。」
大和が頷く。
「ありがとうございます。では私は他にも用事がありますのでこれで失礼します。」
というと一礼してマルティールは部屋を出ていった。
「どうしたのですか？大和様」
「うん。なんかアーカートさん達が僕に聞きたいことがあるって…。ところでアーカートさんってソフィーさんの子供なんだよね？」
「そうらしいですが、詳しいことは私も存じません。」
ここでかすみが口を開いた。
「アーカート・ブリス。現在２６歳、リスペクト魔法学校の混用戦技教官兼打撃魔法教授。混用戦技というのは魔法と剣などの武器を１人で併用して戦う技を指すこの学校の用語です。彼は戦死したソフィー・ブリス校長の長男で、２７年前の第３次学校紛争の最中に当時教授だった彼女が過激派学生団に拉致強姦されて出来た息子です。犯した犯人はオリエルという過激派学生で、紛争後の学内裁判で死刑判決を受け、斬首刑に処されています。」
「そうらしいですが、詳しいことは私も存じません。」
ここでかすみが口を開いた。
「アーカート・ブリス。現在２６歳、リスペクト魔法学校の混用戦技教官兼冷気魔法教授。混用戦技というのは魔法と剣などの武器を１人で併用して戦う技を指すこの学校の用語です。彼は戦死したソフィー・ブリス校長の長男で、２７年前の第３次学校紛争の最中に当時教授だった彼女がオリエルという過激派学生に拉致監禁され、強姦されて出来た息子です。ちなみに彼の実父であるこのオリエルは紛争後の学内裁判で死刑判決を受け、斬首刑に処されています。」