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気弱な少年とセクシーな仲間達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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気弱な少年とセクシーな仲間達 103

シュウの方もアーカートに押されている。
不意にリクゥがティナの剣を弾くと、シュウに叫んだ。
「シュウ!ここは引くよ!」
リクゥが叫んだ瞬間、炎が彼を包みこんだ。
一方のシュウもそれには同感だった。
彼はまだ片手での戦いに慣れていない。それにソフィーの暗殺が目的だったためこれ以上の戦いは意味がなかった。
アーカートの剣をよけた瞬間、彼は後退し呪文を唱えた。
「さらば!」
風が彼を包み込む。
シュウを覆う強い風に、アーカートがのけぞる。その隙を突いてシュウは姿を消していた。
「おのれ、逃げるか!」


敵がいなくなり、大和たちやルカジマの人々を静寂が包む。
最初に口を開いたのはマルティールだった。
「・・・・・苦い・・・勝利だ・・・・。」
「うん・・・・・。」
「ぼやぼやするな!怪我人の手当てを急いでくれ!」
戦いの興奮が過ぎ去り、ソフィーを失った悲しみが彼らを包む。
「う・・うぐっ!!」
大和が顔をしかめて膝をつく。緊張感を失い、背中の大火傷の痛みが感じられるようになっていた。
「王様!」
「王よ、どうかお気をしっかり!」
「急げ!救護班はどこだ!」
「私がやろう・・・・これは酷いな・・・・。」
マルティールの叫びに、アーカートが応じた。
大和の背中に手をあて、呪文を唱えた。
ホゥゥ・・と彼の手に白い光が灯り、その光が火傷を覆う。
光が消えると、大和の表情が和らいでいた。火傷は白い幕のようなもので覆われていた。
「はあ、はあ・・・・助かりました・・・・あなたは?」
「私はアーカート。当校の教授にして、ソフィー校長の長男だ。」
「僕は大和、橘 大和です。ありがとうございます。」
「ところで君の火傷はすぐに治るほど生易しいものではない。今すぐ入院してもらう。救護班!!きてくれ!!」
『えっ』
レイたちがどよめく。
「お姉ちゃーん!」
「ティナ様ー!」
遠くから声が聞こえてきた。
それに向かって身体を向けたティナも、くずおれた。
「ティナさん!」
「将軍!」
「お姉ちゃん!」
セリスとシホがそこにやってきた。戦乱の中ティナを追ってきたのだ。
「大怪我していたのに無理に戦うから・・・。おかげで勝てたが、もう一度入院してもらうより無いな。」
そこに救護班がやってきた。
「遅くなりました!」
「この少年と、将軍を頼む。」
魔法医師たちはすぐに症状を見て、てきぱきと彼らに処置を行い、病院へと連れて行った。そしてアーカートがレイたちに言った。
「貴方たちも一度見てもらったほうがいい。この学校のために戦い、怪我を負った以上、我々にも治す責任があると思う。」

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