PiPi's World 投稿小説

淫屍術師<投稿自由です>
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 3
 5
の最後へ

淫屍術師<投稿自由です> 5

たくさんの『なぜ』と『どうして』が湧き上がり、自問自答を繰り返す。
そのうち弟はあることに気づく。自分が目の前の少女に、とんでもないことをしていると。
別にこれは犯罪ではない。相手は人の形をしているとは言え、屍だ。
放っておけばまた人を襲い、仲間を増やしていくだろう。
むしろ弟のやろうとしていることは正しいことだと言える。
だけど。これまで人間として、善良ないち村人として育てられてきたすべてが、屍とは言え、見ず知らずの少女をレイプしてはいけないと弟を強く否定した。
彼の姉は屍を食ってしまったというのに。
「くっ・・・!う、あぁッ!?」
それが決定打だった。弟はすんでのところで腰を引き、少女からペ○スを抜き去った。
それと同時に限界に達し、大量の精液を屍の少女にぶちまける。
顎まで白いしぶきで汚した屍もまた、それで絶頂を迎え。
まるで糸の切れた人形のように弟の身体に倒れ込んだ。
人類の天敵、屍。弟はそれをギリギリのところまで追いつめておきながら、その命を救ってしまったのであった。
それは優しすぎる弟の、新たな人生の始まり、そのきっかけとなった。
「あ…ああ…」
屍の体重と、確かに存在する彼女自身をその体に感じたまま、激しい後悔が弟の中を駆け巡る。
荒れ狂う嵐のように。流れ寄せる津波のように。
彼の横では男が、弟の気持ちなど気づかぬかのように屍を犯し続けていた。
 

 
 

 

「ごめん、ごめんよ…」
やがて弟は、繰り返し謝りながら自身の上の屍を抱きしめ、涙する。
そして…気が付いた。
心の奥のほうに、何か洞穴のようなものが伸びているのを。

心の中を、探る。
糸を手繰りながら洞窟を歩くように。
すると、何かの力が感じられた。



「わたし………食べられたはず……」
「!」
弟の耳元に、女の子の声。
驚いた彼が顔を見るとそれはまさしく、今彼が犯した少女の声だった。
「どうして…そしてあなたは…」
「僕の事がわかるの?」
不思議な出来事に戸惑う女の子を映していた、弟の視界がだんだんと滲み、そして。
「うう…うわあああ…よかった…よかったよぉ…」
女の子の柔らかい体を強く抱きしめて、弟は泣きに泣いたのだった。




「驚いたぜ…食わずに助けちまいやがった…」
いつしか屍を抱き終えた男が、女の子を抱きしめて泣く弟を見て驚嘆していた。
屍食いに目覚めたばかりのものは、その食欲(あるいは性欲)を抑えることが困難だ。
ゆえにたいていは能力と本能に振り回され、屍を食らいつくしてしまう。
食らい尽くすと言っても、野生動物のようにかじりつくわけではない。
屍という存在をエネルギーに変え、体内に吸収してしまうのだ。
これにより屍はこの世から消滅し、吸収されたエネルギーは術者の力として取り込まれることとなる。
まれに食べ残して屍の身体が残ることもあるが、この場合でも肉体は短時間のうちに肉体は塵と化して散ってしまう。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す