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淫屍術師<投稿自由です>
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫屍術師<投稿自由です> 8

つまり、助かったけど治ったわけじゃない。レオポルトはそう理解した。
決然とした声で、レオポルトが言った。

「わかりました。リリアン一人助けられなくては、これから誰も救えない……リリアン」
「わたしも……人を襲う怪物になんかなりたくない………
レオポルト……あなたがいいのなら、わたしは…レオポルト、あなたにこの身を委ねるわ」

リリアンは最初は泣きそうな声だったが、言葉に出して覚悟が固まったらしく、最後ははっきりと答えた。

「よーっし!二人ともいい覚悟だ!特にレオポルト、お前も男なら、リリアンを大切にしてやるんだぞ!いいな!」
「はい!師匠!」
「お…お願いしますっ」

ニヤッと笑ったエーヴェルトへ、レオポルトははっきりと、リリアンはやや不安げながら答え、二人は深く頭を下げた。
頭を上げた時には、レオポルトだけでなくリリアンも覚悟をきめたらしかった。

「嬢ちゃん、いい顔してるぜ」

「えっ?」
リリアンはエーヴェルトの言葉の意味を理解しかねたようだ。
そっとレオポルトが囁く。

「リリアンが可愛いってことだよ」
「可愛いって…」

リリアンはちょっと照れている。
するとエーヴェルトはくっくっと面白そうに笑いだした。

「レオポルト、それだけじゃねえぞ。嬢ちゃんが見目かたちがいいのは本当だが、ちゃんと覚悟を決めた顔をしてるって意味だ」
「は、はい!」
「僕も浅知恵でした。ごめんなさい」
「はははっ、いいさ。これから師匠たる俺の流儀を覚えて行けばいい」

実際にリリアンは村でも可愛い娘と思われていたのだが、本人にはその自覚が無かったようだ。


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