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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 97

そこは己を磨いた者達がぶつかり合う場所。ルクード名物闘技場だ。
昼間は純粋に技術を競い合う場なのだが、夜間は己の命を賭けて闘う場に変わり、死人がでてもおかしくない場所。
クーデターの影響で昼間は閉鎖になっているため、夜間の盛り上がりは異常な程だった。
本人としては、そんな事より格好に問題があった。上半身裸に下はタイツ、顔には虎のマスクを装着している。
「これは…」
「頑張りたまえよ。観客席で見ているからな!」
「あ、ちょっ!…なんてこった…」
「飛び入りの奴!次が出番だぞ!」
「え?」

「東門より入場…これまでの対戦相手を全て再起不能にしてきたルクードの壊し屋ぁ…ガンダリィィィィッッツっっオルバルぅぅぅ!」
セガルドの1、5倍あろう巨体に顔や体は傷だらけのまさに強者。
「ワァァァ!」「今日も相手をぶっ潰せぇ!」「素敵ーっ!」「血を見せろー」「本日の犠牲者ぁ…西門より入場…マッチョぉぉっタイガァァァ!」
「…」
セガルドは筋肉を強調するポーズを数回、しかし、相手を見ると自分より明らかにマッチョだ。ネームを考えたジュダを少し恨んだ。「ひっこめー!」「さっさと負けろー!」
「(帰りたい…)」
セガルドの嘆きなど知らずに、開始の鐘が鳴らされたカーンッ!
「ぐふふ、てめぇ、せっかくの飛び入りで相手が悪かったな!両手足の骨をコナゴナに砕いてやるぜ!」
「うわっ!」
手に持った巨大な大槌を容赦なくセガルドに振り下ろす。
「あっぶねぇ…両手足の前に全身が潰れちまう…」
相手には武器があるのに、こちらは素手…逃げるが勝…
「おっとぉ!マッチョタイガー早くも逃げ腰かぁ?」実況の声にカチンとくる。卑怯かと思いながらも力の解放を決意。
「む?」
見ているジュダは一早く変化に気付いた。
「ぐふふ、逃げないのか?潰れろ!」
ドォォンッ!
力一杯に振り下ろした大槌は轟音と供に砂煙を上げる。
「おっとタイガァァァ!ぺしゃんこかぁぁ?」
「ぐふ、ふっ!?」
その時、砂煙から飛び出した一体の虎が渾身の廻し蹴りを顔面に繰り出す。
ドギャッ!!
「ぐわはぁぁぁぁ!」
ガンダリッツは壁ぎわまで蹴り飛ばされ仕切りの板に頭から突っ込んだ。
「………」
場が静まり返る。
「ニャァ!」
セガルドが決めゼリフなのか、猫の鳴き真似をすると、会場が一気に沸き上がった。
「ウォォォ!」「すげぇぞタイガー!」
「素敵ー!」「タイガー!」
「ガンダリッツがまさに一蹴!ここに新たな強者が誕生だぁぁぁぁ!」
「ワァァァ!」
「タ・イ・ガー!タ・イ・ガー!」
会場はさらに盛り上がり一斉にタイガーコール。
その時、観客席からもう一体の虎が飛び込んできた。「な!?」
「おっとぉ!これはいったい!なんと…なんと黒いマスクのタイガー!ブラックタイガーだぁぁぁ!」
「(車海老…?)」
悩むセガルドにブラックタイガーは近づく。
「セガルド君、俺と勝負だ。負けたらクリスとソラは嫁にやらん…」

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