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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 86

「これは…クリスが動いたか。ランドルフ、リリアン、ここからは別行動だ。いいか、絶対に死ぬんじゃないぞ。」
「ランド君、リリーさん…死なないで…」
「大丈夫です!サーシャ様は王位継承へ♪」
「逆賊だ!殺せ!!」
正面階段に大勢の近衛兵が集まってくる。
「ここは任せてください!早く!」
「頼んだぞ!」
別の道から上の階を目指すリグールを見送り、戦闘態勢に入る。
「行くよ!オル・ファイオルガ!」
ランドの両腕を火炎が踊るように動き回る。迫る近衛兵を目標に両手の火炎を放った。

「…一先ずは蹴散らしたか。」
「そのようですわね。」
「セガルド君、クリス様達は平気なのかしら…」
「お師匠様がいるから平気だろ。とはいえセフィは心配だが…。」
王宮に突入したと同時にクリス、セフィ、イリス、メリルと今いるメンバーで王の逃亡を防ぐため二手に別れていた。
王宮は正面階段、東と西に謁見の間へ繋がる道がある。ランドは正面階段で戦闘中、セガルド達は最も近道の正面、クリス達は唯一の退路を断つために西、リグール達は王室へ近道の東から進攻していた。
「この通路を抜ければ謁見の間まですぐ。急ぎましょう!」
「ユリィさん、待って!」「何か来ますよ!」
ゼシカの睨む先の通路から、白髪の青年があらわれる。全身から危険なまでの力を放っている。
「くくく…ユリィ、久しぶりだな。」
「シーガ…その姿は…」
真っ赤に充血した瞳、浅黒い肌、しかし、見覚えがある容姿
「あんた…何が…」
「くく…セガルド君、君に助けられたあの日から…潰されたプライドは、こんな形になったんだ。わかるかい?力がみなぎるんだよ…何も恐くない。欲しい物でさえこの力があれば手に入る。」
「シーガ…何があったの…?」
「ユリィ、君にはわからない。あのクリスにも選ばれず毎日毎日毎日毎日!君は充実な毎日を送っていたんだろう?羨ましかったなぁ…」
「…」
「くく…今はどうでもいい。こんな身体にしたバルドーは殺してあげたよ…。一番はセガルド、君にしたかったんだけどね。俺をここまで堕落させた君だから」「逆恨みか…あの時、ユリィさんを見捨てて逃げ出した臆病者がセガル様に何を言うか。」
「黙れ!!貴様に何がわかる!!」
セガルドはゼシカの前に立つ。
「話しても無駄だ。」
「くく…」
「皆も戦っている。俺達も進まなくてはならない。」「皆?へぇ…生きてるかな?この身体になったのは俺だけじゃない…王を守る義理はないけど、俺達だって騎士だからね。」
「ちっ、ユリィさん、ゼシカを連れて先に…」
「くく…オル・グラビオン…」
「あぅ!!」
シーガがユリィの周辺に強力な重力場を作り出す。全身の負荷に耐え切れず、ユリィは地面に叩きつけられた。
「ユリィ…待ってろよ。こいつを殺したら俺の物にしてやる。」
「あんたって人は…」
「来いよセガルド!式神と供に消し去ってやるからよぉ!」

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