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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 84

待機が五時間も続くと、根が不真面目なセガルドは完全にだらけてきてしまう。クリスの目を盗んでゼシカに膝枕をされながらゆったりとしていた。そんなセガルドの頭を嬉しそうに撫でるゼシカ。
そこにやってきたのは…
「こらぁぁぁ!サボるなセガルド!」
「またうるさいのが来た…メリル、サボるも何も待機なんだからゆっくりしようや。」
「セガルド君、待機はいつでも動けるようにしておくって意味だと思うけど…」「ユリィさんまで…。そういえば団長閣下はどうしたんだ?」
「アンナ様と会議中。ほら!起きなさいよ!」
「はいはい、わ〜ったよ!ったく…」
ガバッと起き上がると、ゼシカが紅月を渡す。
「あ〜ぁ、ダルいな。何かする事ないのか?」
「そんなに暇なら鍛練すればいいだろう。」
不意の声に振り向くと、そこにクリスと見知らぬ女性が立っていた。
「出ましたな極悪師匠!」「クスクス、噂に違わぬ青年ですね。」
「生意気で困っている。」「何を言いますか…鍛練と言いながら上質の酒欲しさにハスマの町まで走らせたり…」
ちなみにハスマの町は馬を駆けても二日はかかる。
「そんな事もあったかな?すまんが忘れてしまったよ。」
「…」
「なんだその目は?」
「いぇ…」
目をそらしたセガルドにアンナが話し掛ける。
「初めまして、セガルド君。私の名はアンナ・エウドラ。遊撃魔導団長、クリス様の忠臣で25歳、身長167cm、体重はナイショね♪B92W56H84の独身、よ☆」
「(個人的な情報の方が多くないか?)」
「(個性的な方…なんでしょうか…)」
「(セガルドに気があるんじゃない?)」
「(まぁ、そうなのかしら?)」
「(おぃおぃ、初対面だぞ?だいたいセフィの上官だから真面目な人だと思っていたが…)」
ヒソヒソと話す四人にクリスはコホンと一喝する。
「上官の前で無礼な態度はいただけないな。少し罰則をあたえ…」
「ボクセガルド!16歳!婚約者2人と可愛い式神が1人!ボク元気です!」
クリスが言い終わる前にセガルドがめちゃくちゃな挨拶で遮る。クリスの罰則はそれほど危ないらしい…
「かなりの使い手だと噂で聞いたよ。クリス様を唸らせるぐらい強いんだってね☆」
茶色い髪を腰まで伸ばしたアンナは、にこやかにセガルドを見る。
「物覚えが悪くグ〜タラな性格もまったく改善していない。唸りたくもなるさ」「けっ!」
「なにか文句でもあるのかな?」
「いぇ…」
「そうだな…。アンナに力量を見せておくのも悪くない。セガルド、あの岩を斬れ。」
「え〜っダルい…あと…」「なんだ?」
「いちいち技の名称を言わなきゃいけないから恥ずかしい…」
「いいじゃん☆かっこいいよ!」
「…でもなぁ…」
「ほほぅ、師の教えに逆らうのか?」
「くそ…」
背負った紅月を鞘から抜き、上段の構えをとる。
「絶対に言わなきゃダメですか…?」
「うだうだ言わずにさっさとやれ。ヴェルナード家に伝わる秘剣を愚弄する気か?」
「ぐぐ…」
すぅっと息を吸い刀身に闘気を纏わせる。目標を定めて…

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