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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 79

「朝早くからイリスと一緒にお出かけになりましたよ。何でもセフィ様の魔導団に新団長が就任したとか…」
「そっか、じゃ家事をよろしく頼むよ。」
「はぃ♪いってらっしゃいませ。」
家から出たセガルドは寄り道しながら兵舎へ向かう。そこで出迎えたのは…
「遅い!遅い遅い遅い!」可愛い声で喚いている少女だった。
「嬢ちゃん、そんなトコで喚いていると騎士に連れていかれて…」
「うるさいバカ!上官に向かって生意気な口を聞くなバカ!バカバカ!」
「…」
少々嫌になり無視して進もうとする。しかし、少女は立ち塞がった
「無視して行く気!?わざわざ朝から待っててあげたのに!あんた最低!」
「…はぁ」
溜め息を吐きながらダルそうな顔をしていると、白銀の鎧を着たクリスがやってきた。
「随分と遅い出勤だな。」「クリス様!こんな奴をわざわざ出迎えるなんて!」「申し訳ありません。産気づいた妊婦が…」
「ふふ、まぁいい。入りたま…」
「お待ち下さい!このバカとの決闘を許していただけませんか?」
「は?」
「ほほぅ、真意は読めんが認めてやろう。見物させて貰うぞ。」
「嫌ですよ。怪我させたらこっちが」
「お黙り!!」
「…」
「(これでこのバカをメッタメタのギッタギタにしてしまえばクリス様は私一人の物よ!)」
メリルの思惑はセガルドに丸聞こえだ。
「あの…」
「なんだ?」
「なんかクリス様を独り占めするとかブツブツ言ってますが…」
「ふむ、困った奴だ。早く抜きたまえ。」
「うぃ〜…」
紅月を鞘から抜き、ダラっと構えると、メリルは勝ち誇ったように笑う。
「お〜ほほ♪そんなナマクラ刀で勝てるつもりかしら?私の剣は…」
そう言いながらメリルは剣を抜く。ただのロングソードに見えるが…
「あれは…」
「これはクリス様から直々に頂戴した最高のロングソード!名付けてクリスソードよ!」
「つまり…ただのロン剣じゃ…」
「うるさいバカ!さぁ来なさい!」
「くっくっくっ、仕方ないな。俺の本当の力を見せてやろう…」
まるで人が変わったようなセガルドを見て、クリスは何かあるのかと期待していたが、
「くらえ!超爆撃破滅必殺魔法斬!」
ただの袈裟斬りに見えるが、メリルは驚いて剣で受ける。その時、
パキィン…
「あ…」
「え…」
「…」
受けたメリルのクリスソードが叩き折れてしまった。
『マズった』って顔で目を逸らすセガルド。
驚きで言葉も出ないメリル。
クリスは黙ったまま。
「ぐすっ…」
「…(ヤベ…)」
「…」
今にも泣きそうなメリル。クリスに目で助けを求めるセガルド。
クリスは黙ったまま。
「うわぁぁぁぁぁん!」
「げぇっ!クリス様!」
「…」
大声で泣きだすメリル。
遂に言葉で助けを求めるセガルド。
クリスは黙ったまま。
「わぁぁん!ヒドい!私のクリス様が折られたぁ!」「…さよなら!」
「逃げるなバカモン!まったく…メリル、新しいのをやるから泣くんじゃない」

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