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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 71

「全員の退避、完了しました!」
「ありがとう。これで終わりです。」
ジンの額の紋章が輝きを増し、目に見える程の魔力を放出している。杖を空高く掲げ、極限まで高めた力の解放。
「禁魔法!天照!」
掛け声と共に、一面に見えるモンスターの群れが空からの光に包まれていく。
「ガ…」「ギ…」
空を見上げた一瞬の内に燃やし尽くされ、断末魔の声さえ出せずに消えていくモンスター。範囲は広がり、群れの全てが消えた後には燃えカスの灰だけが残った。
「ふぅ…終了です。皆様、お疲れ様でした。」
「すごい…見渡すかぎりのモンスターが一瞬で…」
ランドルフは体が震えた。ジンの力は想像を遥かに越えてると共に、一つの欲が…
(ジンさんに弟子入りしたい…ボクは、もっと強くなれる気がする…)
「ジン、見事だ。町に戻るぞ。」
「そうね…。町のみんなが心配してる…。出番…少なかったなぁ…。」
「ランドルフ君、帰ったら話があります。すぐに酒場に来てくださいね。」
「は、はい!!」
ランドルフ達が町に戻ろうとすると、彼の姿が無い。「あれ?オロチ君は?」
「勝手に帰ったんでしょう。ほっとき…」
「ぎゃぁ!!」
如月の草履の下から甲高い声がした。
「なに今の…」
ふと思い足をどけると…
「てめぇこのアバズレ!命の恩人様に何しやがる!」何やら文句を叫んでいるこの口の悪い小さな蛇。
「まさか…オロチ君?」
「あったりめぇだ!」
「あらあら…随分と可愛らしい姿になっちゃいましたこと…」
「てめぇらが無茶させるから力を使い過ぎたんだよ!おかげでチビになっちまったじゃねぇか!力を蓄えるまでどうしてくれるんだよ!あぁ?」
オロチはシュルルルッとランドルフの肩まで移動し、文句を吐きまくる。声が高いせいか迫力が無い。
「確かにボク達がお願いしたんだから何かお礼をしなきゃ…」
「ふしゅるるる、話のわかる坊やじゃないか。じゃあ…その杖についてるレアクリスタルをくれ。」
「これかい?」
クリスタルを取り外し、オロチに差し出す。
「ランド様、オロチを甘やかしては…」
「うるせぇ!ありがとよ坊や。如月は嫌いだが坊やの言う事ならまた聞いてやるぜ。いっただきま〜す。」自分の頭よりも多きなクリスタルを一飲みすると、嬉しそうに肩から降りた。
「じゃあ帰る。力が回復するまで呼ぶんじゃねぇぞ」「はぃはぃ、わかりましたよ。シッシッ」
オロチは腹をクリスタルの形そのままに膨らませたまま、にょろにょろと出てきた穴に戻っていった。
「オロチ君、またね〜♪」「まったく…抜け目がありませんね。あんなに高価な物をあげなくてもよろしいのに…」
「頑張ってくれたんだし、満足したんだからいいじゃないかな☆」
「では、帰りましょうか」ランドルフ達はウルスの町へ戻っていった。

その頃、ルカを助けたセガルドは…

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